満月が欠けていき…55年前の中秋の名月は“一大天体ショー”だった!

満月ばかりと限らない「中秋の名月」

2023年9月29日は、前年に続いて満月の「中秋の名月」となりました。29日の日本列島は高気圧に覆われて広く晴れるので、北日本や西日本では、きれいな夜空となりそうです。東日本と西日本の太平洋側は、雲の隙間から満月を見られるだろうという予報が出されています。

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「大きな満月」をイメージしがちなこの日ですが、次に中秋の名月と満月の日付が一緒になるのは、2030年9月12日と7年先、実は貴重な天体ショーなのです。

満月が欠けてゆく!55年前の天体スペクタクル

しかし、55年前の中秋の名月は、さらに珍しい夜でした。満月の「皆既月食」が起こったのです。SBSテレビは、満月が欠けていく様子を見ようと、現在の静岡市清水区にある日本平山頂付近に集まった市民の様子を取材していました。白黒フィルムに残された当時の映像を振り返りましょう。

ゴザ広げ酒酌み交わして観月会

午後6時50分、続々と集まる市民の前で月が欠け始めると、空を見上げたり、天体望遠鏡をのぞき込んだりする親子の姿が見られました。また、スーツ姿の会社員たちがゴザを広げ、酒を酌み交わしながら、月がやせていく様子を楽しむ宴会風景が記録されています。原稿によると、午後8時10分に完全に月が隠れたようです。まさに昭和の一大天体ショーでした。

中秋の名月の皆既月食、次の観察チャンスは「169年後」

天体活動の偶然の一致が生んだ中秋の名月の皆既月食ですが、天文ファンの計算などによると、次に全国的にこの一致が観察できるのは2192年9月21日、実に169年後とのことです。

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