ピックアップと闘いながら首位を追いかけたMOTUL松田次生、前回失格を挽回する2位を獲得も「本当に悔しい……」

 Astemo NSX-GTとARTA MUGEN NSX-GTのトップ争いが白熱した2023スーパーGT第6戦『SUGO GT300km RACE』のGR500クラス決勝。その2台に最後まで食らいついたのが23号車MOTUL AUTECH Zだった。レースは3位でチェッカーを受けたが、17号車が再車検不合格で失格となったことで、2位に繰り上がった。それでも優勝となった8号車とはコンマ5秒差だったこともあり、あと一歩届かなかった悔しさは大きいようだ。

 2番グリッドからスタートした23号車は、ロニー・クインタレッリが前半スティントを担当。2番手を守るも、サクセスウェイトが軽い8号車ARTA MUGEN NSX-GTがリードを広げていく展開となった。30周目にピットストップを終えて松田に交代するが、のちに17号車の先行も許して3番手に後退した。

 その後、赤旗中断があったことで、2台のNSX-GTに接近した状態でレース再開を迎えた23号車ではあるものの「けっこうキツかったですね」と松田。特に終盤は前のマシンに迫るシーンがあったが、「向こうもタイヤ(の限界)がきているのは分かっていましたが、こっちもタイヤが限界でした。チャンスを狙っていきましたけど、抜くチャンスがなかったので……悔しいですね」と状況を振り返った。

 さらに松田のスティントではピックアップも頻発していたとのこと。

「ピックアップがすごく付いてしまいました。一度GT300を抜くとピックアップが取れるのに2周くらいかかってしまいました。ピックアップを取ってプッシュするというのを繰り返していた状態でした」と、顔をしかめながら話していた。

 結局、2台のNSX-GTを攻略することができず3番手でチェッカーを受けた23号車。「悔しいけど、やれることはやれたと思います。ロニー選手も前半スティントでしっかり頑張ってくれました」と、松田は現状を受け入れていた。

 レースでは終始8号車とポジション争いをしていたが、途中で17号車がトップ争いに加わってきたことは誤算だった模様。これについて松田はピットストップの作業時間に着目していた」

「17号車のピットストップがすごく早くて……あれは驚きでした。あれだけタイムが違うとなると、おそらく前半で燃費を稼いでいたのだと思います。僕たちとは勝負をせずにペースを抑えていた可能性があります。そういうところを一度分析して、次に生かしたいなと思います」と、チームと共にSUGO戦の内容をしっかりと振り返りたいと語っていた。

 23号車は第5戦鈴鹿で2位表彰台に入るものの、スキッドブロックの厚みが基準値を満たしておらず失格の裁定を下された。そこから復活の表彰台で安堵の表情が見られるかと思ったが、ふたりとも悔しさに満ち溢れていたのが印象的だった。

最終的に17号車が失格になったことで2位に繰り上がった23号車。ドライバーズポイントは40ポイントとなり、首位のNiterra MOTUL Zから11ポイント差の3番手につけ、終盤での2戦で逆転を狙うことになる。

タイヤのピックアップに苦しんだという23号車MOTUL AUTECH Zだが、2位に。

© 株式会社三栄