“いじめ” 認定されず転校先で野球部に入れなかった高校生 認定しなかった学校側に裁判所が慰謝料10万円の支払い命じる

愛知県の豊川高校の元野球部員が、いじめを訴えたにもかかわらず高校が適切に対応しなかったと主張して、高校などに損害賠償を求めた裁判で、名古屋地裁は高校に対して10万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

訴えによりますと、豊川高校の元野球部員が1年生だったおととし6月ごろから、チームメイトに暴言を吐かれるなどの「いじめ」を受けたとしてその年の10月に転校しました。

しかし、豊川高校がいじめを認めなかったことから転校先では「選手の引き抜き」に該当するとして野球部への入部が認められず精神的苦痛を受けたと、高校などを相手取って200万円の損害賠償を求めていました。

29日の裁判で名古屋地裁の西村修裁判長は、いじめの事実を認定した上で、入部できなかった精神的な苦痛があったとして豊川高校に慰謝料として10万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

判決を受けて原告側は「こどもたちが転校しても自由に野球ができる環境になってほしい」と話しました。

一方、豊川高校はCBCの取材に対して、「判決文が届いていないためコメントできない」としています。

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