「国会冒頭解散」が急浮上 10月22日補選で「生臭い日程」

国会議事堂(資料写真)

 政府・与党は29日までに、臨時国会を10月20日に召集する方針を固め、調整に入った。同月22日には衆院長崎4区と参院高知・徳島選挙区の2補選があることから「岸田文雄首相は結果次第で臨時国会の冒頭解散に踏み切る」(野党幹部)との観測が急浮上。「生臭い日程」(同)が主戦論と慎重論の交錯にも拍車をかけている。

 「間もなく国会で(地元へは)戻れません。その前のご報告です」。29日朝、自民党の中堅議員が県内の駅頭に立ち、通行人に政策ビラを手渡した。「20日召集」の情報が党内に流れ、早速動き出した形。厳しい残暑が続く中、「今は常在戦場です」と声をからした同議員は、取材に対し「内閣改造で結果が出ず、支持率アップのチャンスはもうほとんどない。補選連勝なら岸田総理は解散に踏み切る可能性がある」と推測した。

 与党国会対策委員会のメンバーによると、想定される日程は初日の20日に首相の所信表明演説があり、22日の補選をはさんで23日から25日まで衆参両院本会議で与野党による代表質問を行う。万一の延長をにらみ会期は12月上旬までを想定するが、閣僚が厳しい追及を受ける一問一答方式の予算委員会の開催日時などが今後の課題となりそうだ。

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