【社保審】「薬剤自己負担の見直し」議論

【2023.09.29配信】厚生労働省は9月29日、社会保障審議会(社保審)医療保険部会を開き、「薬剤自己負担の見直し」の議論を開始した。

これまでの議論を踏まえ、同日は以下の4つの項目が考えられるとした。
①薬剤定額一部負担
②薬剤の種類に応じた自己負担の設定
③市販品類似の医薬品の保険給付の在り方の見直し
④長期収載品の自己負担の在り方の見直し

「①薬剤定額一部負担」は、薬剤に対して定額を負担するため、低額の医薬品ほど相対的に負担が重くなる課題がある。また、平成14年健保法改正法の附則における7割給付維持との関係の整理が必要となる。

「②薬剤の種類に応じた自己負担の設定」は、フランスなどで導入されているもので医療上の利益に基づき薬剤を分類し、カテゴリー別に自己負担割合を設定する。これには医療上の重要性を分類する技術的な難しさも指摘される。

「③市販品類似の医薬品の保険給付の在り方の見直し」は、OTC医薬品に類似品がある医療用医薬品について、保険給付範囲からの除外や償還率の変更、定額負担の導入など、保険給付の在り方を見直すもの。

「④長期収載品の自己負担の在り方の見直し」は、長期収載品について自己負担を見直しもの。

薬剤の自己負担については骨太方針2023において、「創薬力強化に向けて、革新的な医薬品、医療機器、再生医療等製品の開発強化、研究開発型のビジネスモデルへの転換促進等を行うため、保険収載時を始めとするイノベーションの適切な評価などの更なる薬価上の措置…等を推進する。…医療保険財政の中で、こうしたイノベーションを推進するため、長期収載品 等の自己負担の在り方の見直し、検討を進める」とされていた。

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