障害福祉サービス事業所が給付金923万円を不正受給 淡路市の「プラーナリゾート」 県が指定取り消し

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 不正に障害福祉サービス事業所の指定を受け、給付金約923万円を受け取ったとして、兵庫県は29日、淡路市仮屋の就労継続支援B型事業所「プラーナリゾート」の指定を取り消すと発表した。県は運営する「浪速興産」(大阪市鶴見区)に、12市町から支給された訓練等給付金全額と加算金の計約1293万円を返還するよう求めている。処分は30日付。

 同事業所は障害者向けグループホームに併設する形で2021年11月に開設され、定員10人。県によると、常勤専従が義務づけられているサービス管理責任者を当初から配置していなかった。

 昨年10月、県洲本健康福祉事務所の立ち入り調査で発覚。職業指導員を常勤配置していなかったことや、職員が利用者と一緒に昼食を取る際の飲食費を運営費から支出していたことなども明らかになったという。

 これまでに神戸、明石、播磨など県内外12市町の延べ16人が利用し、線香の箱詰め作業の指導を受けた。現在は5人が利用。グループホームは継続する。

 同社は神戸新聞の取材に対し、神戸市在住の男性を管理責任者として登録したが「新型コロナウイルス禍の影響で毎日は通えなかった」と説明。虚偽申請だとする県の処分には、不服申し立てを検討しているという。

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