ロシア、併合・支配を既成事実化 プーチン氏「成果」誇示

新たに選出された州の首長らとオンラインで会議を開くロシアのプーチン大統領=28日、モスクワ(タス=共同)

 ロシアが侵攻したウクライナ東部・南部4州の併合を一方的に宣言して30日で1年。領土奪還を目指すウクライナと戦闘が続く中、ロシアは9月の統一地方選に合わせ、4州の支配地で選挙を実施するなど、統合の既成事実化を推進する。プーチン大統領は来年3月の大統領選へ年内にも出馬を表明すると見込まれ、侵攻の成果として誇示する狙いとみられる。

 4州の支配地では選挙で地方議会が発足。首長も選出し、2014年にウクライナ東部で独立宣言した親ロ派の「ドネツク人民共和国」や「ルガンスク人民共和国」の両トップらが選ばれた。

 プーチン氏は28日、首長らとオンラインで会議を開き「新たな地域がわが大国に完全に加わる重要な一歩だ」と強調した。30日を「再統合の日」とする法律に署名した。

 モスクワの赤の広場では29日「一つの国、一つの家族、一つのロシア」と題した愛国心を鼓舞するイベントを開催。ペスコフ大統領報道官は29日、プーチン氏が30日に記念日を祝うビデオ声明を出すと述べた。(共同)

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