冠山峠道路の開通日決定! 福井県と岐阜県を結ぶ国道417号 県境付近はこれまで交通不能区間

冠山峠道路

 国土交通省近畿地方整備局は9月29日、福井県池田町と岐阜県揖斐川町を結ぶ国道417号冠山峠道路(延長7.8キロ)が11月19日に開通すると発表した。417号の県境付近はこれまで交通不能区間で、代替路の林道も冬季全面通行止めとなっていた。開通によって通年通行でき、鯖江市から大垣市までの所要時間は1時間10分短縮され、2時間20分となる。

 池田町―揖斐川町間は1時間25分で結ばれ、北陸自動車道と名神高速道路経由に比べて約1時間早くなる。北陸道の通行止め時の代替ルートとなるほか、伝統産業が集積する丹南地域と岐阜県をつなぐ広域観光、日本海側と太平洋側を結ぶ物流網としての利用に期待がかかる。

 冠山峠道路は2003年度に国の直轄権限代行で事業化され、08年度から工事が進められてきた。全体事業費は323億円。整備費の負担割合はおおむね国7割、福井県と岐阜県で3割となっている。

 福井県区間が延長3.7キロ、岐阜県区間が4.1キロで、開通後は両県がそれぞれの県域を管理する。区間のうち両県をまたぐ冠山トンネルが約4.8キロ、岐阜側の塚宮ケ原トンネルが約1.2キロを占める。片側1車線で幅員は7メートル。

 杉本達治知事は「悲願の全線開通を迎えることは大変喜ばしい。交通不能区間が解消され、福井県の東の玄関口が新たに開かれる。この好機を生かして、沿線市町や岐阜県とも連携し、交流拡大や広域観光の推進をより一層図っていく」とのコメントを発表した。

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 開通式典は11月19日午後2時から池田中で開かれ、同日午後5時に開通する。

 国道417号の代替として現在利用されている林道は道幅が狭く、急カーブ、急勾配が連続しており、21年度の通行止め日数は208日だった。

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