「霧の芸術祭」縮小すべし 市議会「SDGs絡めて分かりにくくなった」 京都・亀岡

2018年に初開催された「霧の芸術祭」のトークイベント(京都府亀岡市・ガレリアかめおか)

 京都府亀岡市議会はこのほど、市が2018年から取り組んでいる「かめおか霧の芸術祭」について、事業の展開範囲が広く市民にコンセプトが分かりにくいとして、事業を縮小して文化芸術振興の目的に絞ることを求めた。2022年度一般会計決算案審議の事務事業評価で意見が付き、決算特別委員長が本会議で市に対し対応を要望した。

 芸術祭は、文化芸術を生かしたまちづくりや若手アーティストの育成が目的の事業。20年度以降は毎年2千万円前後の予算が付き、市が国の「SDGs(持続可能な開発目標)未来都市」に選ばれていることから、SDGsを絡めたイベントも多数展開。昨年度は74事業を実施し、市が支出した事業費は2100万円だった。

 市議会の決算特別委員会では、市議から「SDGsと絡めた結果、事業が分かりにくくなっている」「芸術祭と言えば何でもありなのか」と指摘が出た。評価では「SDGsモデル事業にとらわれず、文化芸術振興の目的に絞って、事業の精選に努めること」とし、見直しの上縮小するべきだとした。菱田光紀議長は本会議後の会見で「良い事業であるので、内容を整理し当初の目的達成を目指すべきでは」と話した。担当する市文化国際課は「事業を整理し来年度以降に向け考えていきたい」としている。

 芸術祭を巡り市議会は20年度一般会計決算の事務事業評価でも、規模を縮小し財政支出を抑えるよう求めていた。

© 株式会社京都新聞社