日本製鉄、呉地区を全面閉鎖 鉄鋼需要減、解体に10年

日本製鉄の瀬戸内製鉄所呉地区=24日、広島県呉市(共同通信社ヘリから)

 日本製鉄は30日、瀬戸内製鉄所呉地区(広島県呉市)を全面閉鎖した。72年にわたり地元経済を支えてきたが、鉄鋼需要の減少などを受け全設備を休止した。解体作業には10年程度かかる見込み。

 同地区の高炉は1951年、太平洋戦争中に戦艦大和を建造した呉海軍工廠跡地に建設された。日鉄は2020年、国内需要の減少や輸出市場の競合激化を背景に経営合理化を図り、設備規模が小さく老朽化が進む同地区の閉鎖を決定。21年9月に高炉2基を休止した。今月14日には最後の製品の出荷を終えた。

 日鉄呉地区によると、10月以降、高炉などの解体に本格的に着手する。跡地の活用方法は決まっていない。

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