本県1人当たりの県民所得、東北1位 20年度全国推計、コロナ禍で他県落ち込む

 内閣府は29日、全国47都道府県の2020年度県民経済計算の推計結果をまとめ、山形県の1人当たりの県民所得284万3千円は東北1位、全国20位だった。19年度は1人当たり県民所得293万2千円で、東北2位、全国29位。内閣府が数値の公表を始めた1955(昭和30)年度以降、ともに過去最高の順位になった。

 理由について、県は「コロナ禍で他県の県内総生産が大きく落ち込む中、本県は建設業や製造業を中心に下落幅を微減にとどめた」と分析した。吉村美栄子知事は「20年度はコロナの影響を大きく受けた年で、県は市町村と連携して無利子・無保証料融資制度や公共事業などで機動的に対応した。厳しい状況下でも、県民や県内事業者が堅実に経済活動に取り組んだ結果。引き続き、本県産業の振興、活性化に取り組む」とコメントした。

 1人当たりの県民所得は雇用者報酬と財産所得、企業所得の合計を総人口で割った数値。ほかの東北5県は2位福島県283万3千円、3位宮城県280万3千円、4位岩手県266万6千円、5位青森県263万3千円、6位秋田県258万3千円の順だった。

 山形県はこのほか、商品やサービスの産出額から原材料や部品の費用を差し引いた県内総生産(名目)が4兆2842億円で東北5位、全国34位。県民所得が3兆363億円で東北5位、全国35位となった。東北1位はともに宮城県で、それぞれ9兆4852億円、6兆4521億円だった。

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