宝酒造が京都・南丹で「田んぼの学校」 親子で収穫「鎌で刈るのは楽しい」

稲刈りをする参加者ら(京都府南丹市園部町仁江)

 コメ作りを通じ生物多様性の保全や自然の恵みのありがたさを学ぶ「宝酒造 田んぼの学校」が、京都府南丹市園部町仁江で開かれた。参加した親子連れは稲刈りだけでなく、田んぼの周りに生える草木や昆虫なども観察し、あらゆる命が食物連鎖でつながり、その中でコメもできていくことを実感していた。

 宝ホールディングス(京都市下京区)が2004年から取り組む事業。年間企画で5月の「田植え」、7月の「草取り」に続き、24日にあった今年最後の回には16家族54人が参加した。

 秋晴れの下、参加者らは黄金色の稲穂が揺れる田んぼに入り、5月に植えた1株3本の苗が30本以上に増えている様子を数えて確認。泥に足を取られながらノコギリ鎌で刈り取っていた。

 お酒好きの親が申し込んで参加した男子児童(8)=北区=は「お米が好き。鎌で刈るのはだんだん慣れてきて楽しかった」と笑顔で話していた。

 田んぼの周囲での自然観察では、自然観察指導員が各家族に付き、草花を見たり、バッタやコオロギを捕まえたりした。イヌマキの木では、種の下の濃い紫色に熟した花托(かたく)を摘んで食べ、観察員らは「花托は鳥が食べ、毒のある種は食べずに落とすことで種が各地に広がる」などと説明していた。

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