茨城DC、10月1日開幕 体験観光、全国発信 250企画

ヘリコプタークルージングで公開されるザ・ヒロサワ・シティの「黄金の茶道具」

大型観光イベント「茨城デスティネーションキャンペーン(DC)」が10月1日、開幕する。茨城県開催は21年ぶり。「体験王国いばらき」を掲げ、用意した体験型観光は過去最大規模の250企画。豊かな自然、食の宝庫といった強みを生かし、JRと自治体、観光事業者が「想像超え」を合言葉に、茨城観光の魅力を全国に発信する。

DCは地域を選定し、全国のJRグループ6社が地元自治体などと観光振興に取り組む国内最大規模の誘客キャンペーン。茨城県開催は2002年4~6月以来、3回目となる。

12月末までの期間中、アウトドア、食、新たな旅のスタイルをテーマに設定。世界遺産や温泉のある近隣県と差別化しようと、県は「自然活動」と「原風景」に着目。山や海、川、田畑などを舞台に農業や漁業、スポーツなどを組み合わせ、非日常を楽しめる観光プランを練り上げた。

開催時間を通常と異なる早朝や夜間にしたり、先行公開したりするなど特別感を味わえる企画も多い。

ヘリコプタークルージングは、国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)のコキアや筑波山、牛久大仏といった観光スポットを上空から観賞する。着陸地の一つであるザ・ヒロサワ・シティ(筑西市)では、豊臣秀吉ゆかりの品として約3億円で落札された「黄金の茶道具」がツアー参加者限定で公開される。

同所では新幹線や零戦、クラシックカーなど歴史的に貴重な乗り物を集めたテーマパーク「ユメノバ」も来年の開業に先駆けて一般公開する。運行を終えた寝台特急「北斗星」は、列車内での宿泊や食堂車での食事が体験できる。

いばらきフラワーパーク(石岡市)の「贅沢(ぜいたく)滞在」は、近隣で有機野菜の収穫体験や栗拾い、笠間焼工房を見学した後、バラ園でランチを楽しむ。園内で摘んだバラなどの草花でブーケ作りも体験できる。

竜神大吊橋(常陸太田市)では、日が暮れた後のダム湖をボートで探検。灯籠で幻想的な雰囲気を演出する。発行ダイオード(LED)を付けた服を着た夜間のバンジージャンプのほか、夜の橋上で暖を取りながら満天の星と郷土料理を堪能する「コタツで星空鑑賞会」もある。

県内のホテルや旅館の女将(おかみ)でつくるいばらき女将の会は、古河市の菓子製造メーカーと連携し、一人一人の女将カードが付いたポップコーンを宿泊施設や駅構内のコンビニなどで販売。地酒をアクリルスタンドにした「茨城ガチャ」は、駅やいばらき地酒バーなど10カ所に設置する。

大井川和彦知事は「温泉や旅館、名所が少ないと、観光地と呼ばれなかった常識を変える」と意欲。期間中の観光消費額1千億円、入り込み客数2千万人の達成とともに観光企画の定着を目指す。

女将カード付きポップコーンをPRするいばらき女将の会
いばらきフラワーパークのブーケ作り

© 株式会社茨城新聞社