西村優菜は2打差発進 “鬼門”の初日に今季ベストスコア

なかなか好スコアが出せなかった米ツアー初日に「66」をマークした西村優菜(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 presented by P&G 初日(29日)◇ピナクルCC (アーカンソー州)◇6438yd(パー71)

ルーキーイヤーで戦う相手は初体験のコースばかり。西村優菜は新人らしい洗礼を浴びながら、何度も出遅れを経験してきた。挽回に、巻き返しに、カムバックに力を注ぎ続けてきたからこそ好スタートが何よりうれしい。6バーディ、1ボギー、今季ベストに並ぶ「66」で首位と2打差、5アンダー11位発進には手応えがあった。

欧米遠征の直後に国内ツアー「住友生命レディス東海クラシック」を戦い、3位フィニッシュを決めたのが2週前。「ボヤけていたスイング」を、感覚的に「まずはインパクトをしっかり合わせる作業」に取り組み修正した。

キャディと笑顔でハイタッチ(撮影/田辺安啓(JJ))

出だし1番から3mのチャンスを生かし、さらに1つ伸ばして迎えた後半インはショットがいっそう切れた。12番でフェアウェイからわずかに左に出た2打目がピンそば4mをとらえて4つ目のバーディ。14番(パー5)ではクリーク越えの3打目を60㎝につけた。

終盤にグリーン上での取りこぼしがあったとはいえ、この日最後のバーディとなった15番(パー3)では細かい状況判断も実った。20yd弱の打ち下ろしになる第1打は「普段は8番アイアン」の距離(実測132yd)だった。30℃を超える気温、ティアップ、「日本みたいな芝でちょっとボールが飛んでいる」のを計算し、9Iに番手を落としてピン左2mにピタリ。キャディとグータッチを交わした後のパットも逃さず、上位進出に成功した。

首位とは2打差で残り36ホール(撮影/田辺安啓(JJ))

なにせ今週は3日間54ホールの短期決戦。「初日が大事だと思いながらプレーしていたので、その中で(良い)スコアを出せたのは素直にうれしい。久しぶりに初日からいいプレーができたので、ちょっとホッとしている自分がいます」。直近大会までの今季米ツアーで初日の平均スコアは「72.78」に対し、2日目が「71.5」。8月の「スコットランド女子オープン」第3ラウンドに並ぶ「66」をオープニングラウンドに出せた。

「3日間(大会)で、トップと差がない状態で2日目を迎えられるのはすごく良いこと。食らいついていきたい」。2打差の首位から視線を離さない。(アーカンソー州ロジャース/桂川洋一)

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