SS1で痛恨のクラッシュ「曲がるのが少し早かった」とラッピ/2023年WRCチリ デイ1後コメント

 9月29日、WRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』のデイ1が行われ、4年前に行われた前回大会の覇者であるオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1)が総合トップでラリー初日を駆け抜けた。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6番手につけている。そんな競技初日を戦い終えたドライバーたちの声をお届けする。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ1総合首位

「テーム(・スニネン)のペースが好調で、午後もすごく速かった。最初のステージとこのステージは本当に過酷だったよ。これほどベースが硬いと、マシンの動きはとても悪くなり安定させられないから、何とか乗り切るしかなかった。でも素晴らしいクリーンな走りができた」(SS6)

●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ1総合7番手

「このステージはとても気に入った。でも、ジャンプの後でボンネットが曲がったと思う。珍しいことだね」(SS5)

●アルベルト・ヘラ―(#28 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ1総合10番手

「僕たちは学び続けている。とても調子がいいよ。オーバードライブしてしまうこともあったけれど大丈夫だ。このステージのあるコーナーに僕の母がいるのを見かけたから、『こんにちは』と言っておいたよ!(笑)」(SS5)
※いずれもステージ走行直後の公式インタビューより。

アルベルト・ヘラー(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ1総合4番手

「今日は少々苦戦した。午前中はアタックしようとするたびにコースオフしかけていた。このような難しいイベントでは望ましくない状況だ。午後は少し良くなったが、ここでは出走順が大きく影響している。ルーズなグラベルに苦戦しているんだ」

「マシンはグリップをつかめずに滑っているが、午後のループではグリップを見つけることができたので、はるかにドライブしやすくなった。順位を上げてカッレ(・ロバンペラ)よりも上に行けたのはよかった。これで明日は目標にしていた有利な出走順につけることができる。それでも僕たちの後ろにはさらに良い出走順のマシンが4台控えているけれどね」

●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/リタイア

「一番肝心なことだが、ヤンネ(・フェルム/コドライバー)と僕は大丈夫だ。でも残念ながらロールケージが破損したので、チリでこれ以上ラリーを続けることはできない」

「SS1“プルペリア1”の最終コーナーではブレーキをかけるのが遅すぎた。事態を収拾しようとしたけれど、曲がるのが少し早かった。コンクリートの手前にグラベルのバンクがあって、フロントタイヤが砂利に食い込んで横転してしまったのだと思う」

「とても難しいステージで安全に進みすぎたと感じていたし、全体を通してブレーキが早すぎた。いつものリズムがなかっただけなんだ」

●テーム・スニネン(#3 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ1総合2番手

「なんて一日だろう! 僕たちはいい仕事ができたと思う。とても順調に走行し、全体を通してかなり限界まで攻めることができた。ひやリとした時も何度かあったけれど、それでもここで素晴らしい順位にいるし、首位との差はわずか数秒だ」

「マシンはドライブしていて本当に楽しかった。自分のパフォーマンスに満足している。小さな問題にもうまく対処できたし、それほどタイムを失うこともなかった。優勝を狙っていきたいけれど、明日はまた全体的に新しいラリーのようになる。地形がまったく違うし、僕はまださまざまなコンディションでのマシンと、タイヤの管理について学んでいるところだ。明日はとても重要になるだろう。新しいことがたくさんあるけれど、プッシュを続けていくよ」

テーム・スニネン(奥:ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
大破したエサペッカ・ラッピのヒョンデi20 Nラリー1(ヒョンデ・シェル・モビスWRT) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合5番手

「とても難しい一日だった。ステージは思っていた以上にルースグラベルが多く、滑りやすいコンディションだったよ。路面は乾いていたので、出走順トップで走行するのは大きなチャレンジになった。午後に向けてクルマのセットアップを少し変更したところ、少しは改善されたが、それでもまだ路面をクリーニングしながら走らなくてはならなかった」

「道の表面が少し乱れていて、クリアな走行ラインがなかったので大変だった。最後のステージでハーフスピンをして順位を下げてしまったのは、明日の出走順を考えれば良いことではないが、上位争いに復帰できることを願っている」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合3番手

「午前中は好調だったが、簡単ではなかった。グリップレベルが本当に低く、ステージがとくにテクニカルだったからね。ところどころ非常にハイスピードでしたが、先が見えない区間も多く、グリップもあまり良くなかったので、とにかくペースノートが重要だった」

「午後は、路面がクリーンになっていて少し驚いたほどだ。しかし、結果的に状況はかなり困難になり、自信を持って運転することができなくなってしまった。それでも、今朝の出走順を考えれば、今晩この順位につけているのは決して悪くない。明日はより良い出走順で走ることができるので、ここから巻き返したいと思う」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合6番手

「今日のステージは本当に難しく感じられました。誰もが始めて走るコースがほとんどでしたし、グリップがそれほど高くないことは分かっていましたが、実際は予想していた以上に滑りやすい路面でした。先が見えないブラインドコーナーも多かったので、ペースノートとクルマを信頼して走る必要がありました」

「午前中はリズムを掴めず慎重に行きましたが、午後にはだいぶフィーリングが良くなりました。エンジニアと一緒にサービスでセットアップをかなり大きく見直した結果、クルマのフィーリングはかなり良くなり、ペースも上がりましたが、何度かミスをして少しタイムを失ってしまいました」

「明日は長いステージもありますし、出走順が3番手になるので大きなチャレンジの一日になると思いますが、ベストを尽くして戦います」

勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ

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