中国寄り野党候補勝利か モルディブ大統領決選投票

モルディブの首都マレで投票する人たち=30日(共同)

 【マレ共同】インド洋の島国モルディブで30日、大統領選の決選投票が行われ、即日開票された。中国寄りの野党・人民国民会議(PNC)に所属する首都マレのムイズ市長(45)が、親インド外交を進めた与党モルディブ民主党(MDP)のソーリフ大統領(61)に対し優勢とみられ、地元メディアはムイズ氏が勝利したと報じた。ムイズ氏は勝利宣言をしていない。

 モルディブは中東からアジアへの重要なシーレーン(海上交通路)に位置する。ムイズ氏が勝利すれば中国支援のインフラ整備が加速し、海洋進出を進める中国の影響力が強まる恐れがある。ムイズ氏はヤミーン前政権時代に閣僚を務め、中国の融資で実現した橋整備などを実績に掲げている。

 ムイズ氏はヤミーン氏の支援を得て選挙戦を優位に進めてきた。ヤミーン氏は資金洗浄などの罪で実刑判決を受け収監中で、ムイズ氏はヤミーン氏の解放も訴えている。

 ソーリフ氏はヤミーン政権で深まった中国依存を薄め、貧困層や中間層の生活底上げを図ったが、盟友ナシード元大統領との関係が悪化し、与党が分裂。

モルディブの大統領選決選投票で、票を投じるムイズ氏=30日、マレ(ロイター=共同)

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