杭州アジア大会で、魚を追って育ったスイマーが競泳でメダルを手にした。23歳のグエン・フイ・ホアンは、28日の男子800m自由形で竹田渉瑚らを抑えて3位に。ベトナムの競泳陣で初めて表彰台に立ち「メダル獲得が目標だったので、達成できてうれしい」と笑った。
ベトナム中部クアンビン省にあるザン川のほとりに生まれた。漁師の両親を助けるため小さい頃から川で泳いでいたが、小学6年生で親元を離れ、以降は競泳選手として歩んできた。
今でも続けている一日に20キロ泳ぐ練習が実り、前回のジャカルタ・アジア大会は自由形の1500mで2位、800mは3位。今回は26日の1500mで金メダルを狙っていたが、竹田に続く4位だった。しかし800mで雪辱すると、29日の400mでも3位に入り「記録には満足していないが、よくやったと思う」と晴れやかだった。
東京五輪に続いてベトナム選手団の旗手を務めた栄誉にメダルが加わり「両親にも堂々とした姿を見てもらえたと思う」と誇らしげ。「パリ五輪でもメダルを獲得したい」と意気込んだ。
