熊野本宮大社で「献湯祭」 温泉郷の繁栄願い

熊野本宮大社の「献湯祭」で、本殿前の大だるに温泉の湯を注ぎ入れる宿泊施設の代表者ら=30日午前、和歌山県田辺市

 和歌山県田辺市の世界遺産、熊野本宮大社で30日、神前に温泉の湯を供え、自然の恵みに感謝し温泉郷の繁栄を願う「献湯祭」が行われた。

 熊野本宮温泉郷の旅館、民宿計18軒の代表者らが泉源からくんだ「一番湯」を本殿前に置かれた大だるに注ぎ入れ、巫女が舞を披露した。

 毎年秋の恒例行事で、45回目。熊野本宮観光協会の会長名渕敬さん(59)は「新型コロナウイルス禍以降、関係者のみで行ってきたが、今日はたくさんの参拝客の中で実施できた。宿泊客の数も回復している。海外の方にも温泉の良さをPRしたい」と話した。

 熊野本宮温泉郷は、熊野詣での参拝者が湯で身を清めた温泉として伝わる。

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