米中枢テロ被告、公判不適格に 軍事法廷、精神障害と認定

2002年1月、キューバのグアンタナモ米海軍基地にある収容施設で座るテロ容疑者ら(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】2001年の米中枢同時テロを計画したなどとして訴追された被告5人のうち1人について、キューバのグアンタナモ米海軍基地の特別軍事法廷は29日までに、精神障害を患っていると認定し、公判に不適格と判断した。ニューヨーク・タイムズ紙などが伝えた。弁護側は中央情報局(CIA)による拷問が原因だと主張していた。

 国際テロ組織アルカイダの幹部ら5人は02~03年に拘束され、20年余りたった後も正式な裁判が開かれず、グアンタナモ基地の施設に収容されている。米領土ではないことから米国内法が適用されないとして長期拘束が正当化され、いまだに公判前手続きの段階で拷問後の自白の証拠能力などが争われている。

 公判に不適格となったのはアルカイダ幹部とテロ実行犯の仲介役とされるラムジ・ビナルシブ被告。拘束後にCIAの施設で睡眠を許されず、ほぼ全裸で3日間立たされるなどの拷問を受けた。グアンタナモ基地の軍事法廷は9月21日、被告が自身を弁護できる状態になく、他4人の公判と分離すると決定した。

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