入居者の支援計画、本人同意得ず 障害者関連法の基準に違反か

障害者向けグループホームを運営する「恵」本社が入るビル=9月21日、東京都港区

 入居者からの食材費の過大徴収が明らかになった障害者向けグループホーム運営会社「恵」を巡り、川崎市にある同社の施設が入居者約20人の支援計画書について、入居者本人や家族の同意を得ずに作成した疑いがあることが30日、市への取材で分かった。障害者総合支援法に基づく基準は、入居者側の同意を得て計画書を作成することを義務付けている。

 作成した時期は、市がこの施設に監査に入ることを通知した直後だったことも判明した。

 計画書には、自立した生活の実現に向けた具体的な過ごし方の目標や支援方法を記載。施設の責任者と入居者側が面談して記載内容を決め、入居者側の同意を得て署名、押印して作成する必要がある。

 市は2022年春からこの施設を調査し同6月、監査に切り替えることを施設側に通知した。その後、施設側は、施設の責任者の氏名欄に当時は勤務していなかった人物名が記載されていたことなどから入居者約20人分の計画書を作成し直した。

 その際、同意を得ないままスタッフが署名したり、入居者と同じ名字の印鑑を買って押したりした。

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