「鯨食の魅力伝えたい」 捕鯨取材の監督、新作公開

新作映画「鯨のレストラン」が上映され、舞台あいさつする八木景子監督=30日午後、大阪市

 和歌山県太地町のイルカ漁を批判的に取り上げ、2010年に米アカデミー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」に反論する映画を撮った八木景子監督の新作「鯨のレストラン」が30日、大阪市で上映され、監督が舞台あいさつで「クジラの食としての魅力を伝えたい」と思いを語った。

 新作ではクジラ料理店を営む男性店主の日常や、客との交流を中心に描いた。捕鯨を巡る批判について大学教授など複数の専門家に取材し、行き過ぎた保護が生態系のバランスを崩しかねないと問題提起した。

 八木監督は「クジラの捕獲枠は過度に制限され価格が高騰し、料理店は絶滅しそうになっている。文字だけの商業捕鯨になってしまっている」と主張した。映画は9月に東京で初公開され、今後、神奈川県や京都府などで上映を予定している。

 八木監督は「ザ・コーヴ」の監督らにインタビューした「ビハインド・ザ・コーヴ」を15年に公開。動画配信大手ネットフリックスでも配信され話題となった。

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