ロシア国防費、来年1.7倍に ウクライナ侵攻長期化で

ウクライナ東部ハリコフ州クピャンスクで砲撃するロシア軍=9月30日(タス=共同)

 ロシア連邦政府は30日までに、国防費を今年の約1.7倍に増額する2024年予算案を連邦議会に提出した。ウクライナ侵攻が長期化する中、武器弾薬の増産に取り組むほか、兵員不足を埋めるための志願兵募集などの人件費がかさんでいるとみられる。

 ロシア通信などによると、29日に下院に提出された予算案では24年の歳出36兆6千億ルーブル(約55兆2千億円)のうち国防費は約29%の10兆7360億ルーブル。23年予算案での国防費6兆4千億ルーブルの約1.7倍で、国内総生産(GDP)の6%に相当する。

 シルアノフ財務相は28日「国防費確保は現在の最優先課題だ」と記者団に述べた。ペスコフ大統領報道官も同日「ロシアにはハイブリッド戦争が仕掛けられている。軍事作戦継続には高い国防支出が必要だ」と強調した。

 一方、英BBC放送とロシア独立系メディア「メディアゾーナ」は29日、独自の共同調査の結果、昨年2月のウクライナ侵攻開始以降に死亡したロシア側の兵士ら3万3236人の名前を確認したと報じた。(共同)

ロシア軍の侵攻状況

© 一般社団法人共同通信社