希少動植物の英名 ばらばらで不親切…島挙げて統一「バンザイ・クラブ」「アマミ・ラビット」 インバウンドにらみ観光物産連盟

あまみ大島観光物産連盟が作った自然観光用の資料=奄美市名瀬

 鹿児島県奄美市名瀬のあまみ大島観光物産連盟は、世界自然遺産の奄美大島に生息する動植物を英語で紹介する資料「AMAMI-OSHIMA,WORDS ON NATURE」を作った。これまで英訳がなかった生物に新たに英名を付け、統一されていなかった英語表記を整理するなどした。ガイドや市町村にデータを無料で提供する。

 外国人観光客に情報を分かりやすく伝える目的。200ページで350種を紹介し、70種に解説を付けた。観光庁の支援事業で派遣された英文ライター、地元の通訳ガイドや観光関係者5人が監修した。自然写真家の常田守さん(70)=同市名瀬=が写真を提供した。

 奄美大島の動植物の英語表記はこれまで、施設やガイド、媒体ごとに独自で設定。英名が複数あるなどし、観光関係者の間で統一を求める意見が多かった。

 そのため今回の英名は、環境省が用いる英名や学術書、特徴などを踏まえた。「アマミ・ブラック・ラビット」とも記されるアマミノクロウサギは、学術的に多く使われる「アマミ・ラビット」と訳した。左右のはさみを天に挙げる姿が特徴のヒメヤマトガニは「バンザイ・クラブ」とした。

 監修メンバーは「自然観光のガイドやインバウンド向けの呼び込みに役立ててほしい」と期待する。事務局の杉岡秋美さん=090(2157)3111。

〈関連〉「バンザイ・クラブ」「アマミ・ラビット」などと、奄美の生物が英訳された資料

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