中上貴晶、リヤのグリップ不足でスプリントは17位「決勝は歯を食いしばって頑張るのみ」/MotoGP第14戦日本GP

 9月30日、2023年MotoGP第14戦日本GP MotoGPクラスの予選が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は18番手を獲得し、スプリントレースは17位で終えている。

 予選日を迎えたもてぎは、やや厚い雲に覆われる天候となったが、多くの観客が訪れていた。母国GPに意欲を見せる中上は、初日は「ブレーキング時のマシンバランス」に苦戦を強いられ、ダイレクトQ2進出を逃してしまった。

 そんな中上は土曜日のFP2では、マシンのセットアップを進めるとともに、マシンバランスの改善に取り組んでいた。序盤は1分45秒台のタイムをマークするも、トラックリミットによりキャンセルに。その後も走行を続けるが、思うようにタイムを短縮できず、序盤にマークした1分46秒009で18番手となった。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第14戦日本GP 2日目

 続いての予選Q1では、フロントにハードタイヤ、リヤにソフトタイヤでアタックを開始。1度目のアタックでは1分45秒994だったが、2度目のアタックでウイークベストの1分44秒626まで縮めることに成功。しかし、金曜日に「Q2に進出するには1分43秒あたりが必要になってくる」と言っていた中上は、1分44秒台の壁を越えることができず、予選Q1敗退となってしまった。

 午後15時にスタートしたスプリント、中上を含む全ライダーがフロントにハードタイヤ、リヤにソフトタイヤを選択した。オープニングラップは順位を維持してスタートを切るも、直後には19番手に後退。序盤になかなか順位を上げられなかった中上は「リヤのエッジグリップがかなり不足していた」と後に語っている。

「立ち上がり方向でのトラクション部分でスピンが多いです。自分の感覚では、もっとトルクは出して欲しいのですが、スピンが多いから電子制御のトラクションコントロールが働いて、スピンを落とすために加速が鈍ってしまっています」

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第14戦日本GP 2日目

 自身の思うような結果を残すことが出来ず、フラストレーションの溜まるレースが続いているが、前向きな姿勢を見せていた。中上にとって特別とも言える日本GPは、いよいよ最終日を迎えることになる。

「とにかく今出せるベストをチーム側、ライダー側が全力で尽くそうと思います。もちろん日本GPなので、通常のウイークより数パーセントでも出して、自分たちがベストを尽くせたのかというのが第一歩だと思います。しっかりとターゲットを見据えて、歯を食いしばって頑張るのみです」

 MotoGPクラスの決勝レースは、10月1日の15時に火蓋が切られる。18番手と後方からのスタートとなるが、母国GPに闘志を燃やす中上の熱い走りと追い上げに期待したい。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第14戦日本GP 2日目

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