母国・日本GPでスペシャルヘルメットを被る中上、小椋、佐々木3人のこだわり/MotoGP第14戦日本GP

 モビリティリゾートもてぎで開催されている2023MotoGP第14戦日本GP。日本人ライダーたちは、特別なレーシングギアを用意して年に一度の母国GPに挑んでいる。

 今回はAraiのレーシングサービスで見せていただいたMotoGPクラスの中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)、Moto2クラスの小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)、Moto3クラスの佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)の3名の日本GPスペシャルヘルメットを紹介しよう。

 中上貴晶の日本GPスペシャルデザインは、全体に桜の模様があしらわれており、頭頂部には水引とてんとう虫、側頭部にはさまざまな和柄が散りばめられている。カラーリングは全体的に茜色で、日本らしさと同時に秋らしさが感じられる。

 いちばんのポイントはやはりひと際目を引く水引。そこに乗っているてんとう虫は「幸運」を意味するとともに、「転倒しないように」という意味も込めているそう。

中上貴晶/日本GPスペシャルヘルメット
中上貴晶/日本GPスペシャルヘルメット
中上貴晶/日本GPスペシャルヘルメット
中上貴晶/日本GPスペシャルヘルメット

 
 このヘルメットのデザイン・塗装は中上の地元である千葉県のペイントショップ・YF DESIGNの深澤裕司氏が手がけたのだが、中上は深澤氏を困らせてしまうほど強いこだわりを持って細部まで作り込んだようだ。

 アルパインスターズのブーツも茜色のベースに紅葉や富士山がデザインされたスペシャルバージョンとなっている。

 小椋藍のヘルメットは、元のデザインから後頭部のみ変更。Araiレーシングサービスの遠藤健仁氏によると、この日本GP限定デザインは、小椋藍自身の発案によりデザインが持ち込まれ、Araiでペイントされたとのこと。

小椋藍/日本GPスペシャルヘルメット
小椋藍/日本GPスペシャルヘルメット
小椋藍/日本GPスペシャルヘルメット
小椋藍/日本GPスペシャルヘルメット

 漢字で自身のゼッケンナンバーである「七十九」を力強く太い筆文字でデザインし、その背景は白ベースに紅葉や鶴、笹、富士山が描かれている。隅にある小さな「藍」印にも注目して欲しい。

 日本GPでは今年Araiから発売された小椋藍レプリカヘルメットを持つファンが多いことを受け、日本では一部デザインを変えてオリジナルのものでいこうという話になり、このデザインのヘルメットが誕生したようだ。

 佐々木歩夢のヘルメットは、ベースとなる普段のレッドブルカラーはそのままに、あちこちに日本らしい絵柄が埋め込まれている。

 シルバーとブルーの部分には水紋とカラフルな紅葉が描かれ、頭頂部にはポップなグーパンチと「NOTHING LIKE HOME」の文字。母国GPに対する気合いが存分に感じられる。

佐々木歩夢/日本GPスペシャルヘルメット
佐々木歩夢/日本GPスペシャルヘルメット
佐々木歩夢/日本GPスペシャルヘルメット
佐々木歩夢/日本GPスペシャルヘルメット

 後頭部には力強くラフな絵柄で日の丸と三重塔と赤い鳥居の絵、そしてその下に漢字で「歩夢」の文字をデザイン。また、ヘルメット下部には相撲、扇子、鶴、和傘などが装飾されており、『外国人が想像する“The日本”』というイメージを抱く。

 このヘルメットのデザインとペイントは、佐々木の普段のヘルメットデザインも手がけているスペインのヘルメットアーティストであるMK ARTによる作品とのこと。佐々木はデザイナーに昨年の日本GPで着用したヘルメットより「カラフルに、より日本っぽく」とリクエストしたそうで、「特に鳥居の部分にはこだわってもらいました」と話す。

 今回の佐々木の日本GP仕様のヘルメットの隠れポイントは、顎の部分に入った「Happy Birthday 24」のデザイン。実はガールフレンドのメルセデスさん・通称メルちゃんが決勝日である10月1日に24歳の誕生日を迎えるそうで、それを祝うためにサプライズで仕込んだのだという。

日本でのレースで、日本メーカーであるAraiの、日本オリジナルヘルメットを被る日本人ライダー3人。日曜日の決勝レースでの、それぞれの活躍を期待したい。

© 株式会社三栄