筑波大、挑戦の50年 永田学長「社会再構築の原動力に」 茨城・つくば

筑波大の50周年記念式典で式辞を述べる永田恭介学長=つくば市竹園のつくば国際会議場

筑波大(茨城県つくば市)の開学50周年を祝う記念式典が30日、同市竹園のつくば国際会議場で開かれ、卒業生ら1200人が節目を祝った。永田恭介学長は「従来の制度にとらわれない新構想大学として改革と挑戦を続けてきた」と振り返り、その上で将来を展望し、「大学改革の旗手として、固定化された社会を再構築する原動力でありたい」と語った。

大学関係者や各国大使、国会議員らが出席。ノーベル化学賞受賞者の白川英樹名誉教授が記念講演し、蹴球部OBの三笘薫選手(英ブライトン)らが祝辞を寄せた。

永田学長は「次の50年に向け、未来構想大学という新たなコンセプトに発展させる」と決意を示した。

三笘選手は「大学の時にいろいろな失敗をして経験を得た。欧州のトップでプレーし続け、ワールドカップやクラブで活躍したい」とメッセージ。OBで日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「つくばに来たことが冒険だった。日本代表が世界一になる日を夢見ている」と話した。

元プロ野球ソフトバンク監督で、大学院博士課程でスポーツ医学を学ぶ工藤公康さんは「現役時代に感じていたことを答え合わせできた」と語った。

同大は1872年に東京で創設された師範学校を源流に、前身の東京教育大が1973年、現在のつくば市に移転し、筑波研究学園都市の核となる教育機関として10月1日に開学した。

現在、9学群と大学院を構え、計約1万6千人が在籍。卒業生は2022年度末時点で8万人を超える。ロボットスーツ「HAL」の山海嘉之教授、睡眠研究でノーベル賞が期待される柳沢正史教授ら関係者が各界で活躍する。

■筑波大の歴史

1872年、東京・湯島に創設された日本最初の官立高等教育機関「師範学校」が源流。73年に高等師範学校、1902年に東京高等師範学校に改称。03年に小石川区大塚に移転。29年に東京文理科大を置く。戦後の49年に同大や東京体育専門学校などを母体に東京教育大となる。73年10月、現在の茨城県つくば市に移転し筑波大が開学。2002年には隣接する図書館情報大を統合した。04年に国立大学法人化。

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