東大寺の戒壇院戒壇堂、耐震化と修理終了 3年ぶり拝観再開

免震台が設置された四天王立像=9月30日、奈良市雑司町の東大寺戒壇堂

 奈良市雑司町の東大寺で9月30日、保存修理と耐震化工事で停止していた戒壇院戒壇堂(県指定重要文化財)の拝観が10月1日から3年ぶりに再開されるのに先立ち、内覧会が開かれ、待ちわびた参拝者が訪れた。

 戒壇堂は天平勝宝6(754)年、聖武天皇や光明皇后が中国・唐の高僧・鑑真から受戒した大仏殿前の戒壇を移設したのが始まりとされる。何度も火災に見舞われ、現在の建物は江戸時代に再建。2020年から保存修理と耐震化工事が行われてきた。

 戒壇堂の壁は構造用合板で補強され、表面はしっくい仕上げ。屋根裏には接合部を補強する金具が埋め込まれた。国宝の四天王立像の土台には、それぞれ高さ約18センチの免震台が設置され、景観を損なわないよう漆塗りで仕上げられている。

 拝観に訪れた橿原市の山井修二さん(72)は「久しぶりに四天王立像が見られて良かった。免震台が設置され、足元の邪鬼もよく見えた」と話していた。

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