因縁のある野良猫が子猫を託しに来た!母猫としての決意がにじむような行動に『こんな事ってあるんだね』『この母ちゃん猫は人を見る目がある』と驚く人が続出

YouTubeに投稿されたのは、保護主さんが長年縁を感じていた1匹の野良猫がとった驚くべき行動でした。これまで人から上手に逃げ続けてきたとある母猫が、産んだ子猫を連れて保護主さんの前に現れた理由とは…?

野良の母猫によるまさかの行動を映したこの投稿動画は、YouTubeで1229万回以上再生され、3500件以上のコメントが寄せられています。

カーチャンは人をよく見ている?母猫の愛と決意あふれる行動に驚愕!

保護主さんと長年の因縁がある1匹のメスの野良猫は、通称「カーチャン」。

不幸な野良猫を増やさないようにするため保護主さんも協力している、地域の野良猫を捕獲して避妊・去勢手術を行ってリリースするTNR活動の網をかいくぐり、子猫の出産を繰り返しているメス猫です。

カーチャンはとても賢い猫で、捕獲器を設置してもみごとに見破る上に、出産すると人の家の前に子猫を置いて託すという行動を繰り返していたようなのです。

保護主さん自身も、この投稿動画が撮影された2019年からさかのぼること4年、2015年にカーチャンが産んだ子猫3匹を保護して里親探しを行ってから、カーチャンの捕獲を試み続けてきましたが、なかなか達成できずにいました。

この日も、カーチャンがねぐらにしている空き家の敷地を訪れたところ、そこにはカーチャンが。いつもは保護主さんを見かけると逃げてしまうカーチャンでしたが、この日は違う行動を見せたのです!

えっ!子猫を連れて来た!

カーチャンが発情の鳴き声を発しているという報告も受けていた保護主さんが、カーチャンの捕獲のために捕獲器を持つボランティア仲間を待っていると、なんと目の前には1匹の子猫を連れたカーチャンがちょこんと座っていました。

「もう生まれてたのか…!」「しかも子猫はだいぶ育ってる!」と、発情期どころか出産・子育てをある程度終えていたことにまず驚く保護主さんでしたが、それよりも子猫とともに保護主さんをじっと見つめて逃げないカーチャンも気になります。

いつもなら逃げるのに見つめてくるカーチャン

守るべき大切な子猫をわざわざ連れて、カーチャンからすれば本来は警戒対象である自分の元にやって来たカーチャン。

保護主さんはその様子を見て、まるで「この子をお願いします」と託されているのではという気がしてしまいました。

子猫が保護主さんの近くへ行っても、カーチャンは止めることなく自由にさせています。カーチャンと保護主さんのこれまでを知らない子猫は無邪気な様子で、保護主さんが柵越しに視線を合わせると幼いながらも立派に「シャーッ」と威嚇する仕草も見せました。

可愛い顔で威嚇するカーチャンの子猫

そんな子猫を見て、保護主さんは4年前にカーチャンがとある民家に連れてきた3匹の子猫を預かり、お世話をしていた日々を思い出します。

保護主さんの元で暮らす先住猫の協力も得ながら、3匹の子猫たちは無事に家猫修行を終え、里親さんたちの元へ巣立っていきました。

2015年に預かり育てたカーチャンの子猫たち

カーチャンそっくりの毛色の子猫もいた

過去の日々を思い出しながら、捕獲器を持ったボランティア仲間が来るまで、保護主さんはカーチャンに語りかけます。

「前のように預かろう」「その子が幸せになるために最善を尽くす」「そのかわり、あんたは避妊手術を受けるんだ」「今から仲間が捕獲器を持って来る。あんたはそこに入るんだ…それが条件だ」。

カーチャンがどこまで理解しているのかは誰にもわからないものの、保護主さんが声をかけている間、カーチャンは逃げることもなく、じっとその姿を見ていました。

カーチャンは言葉を聞いているかのよう

じっとしているカーチャンに比べて子猫は無邪気にうろうろ

その後、捕獲器を持ってボランティア仲間が到着したため、保護主さんは捕獲器を設置して一旦カーチャンのそばを離れました。

そこからおよそ8分後、捕獲器の中にはなんとカーチャンの姿が!

捕獲器に入ったカーチャン

これまでどんなに捕獲器を設置してもすり抜けて来たカーチャンが、わずか10分未満で中に入ったのです。

先ほどまで子猫を預かり、幸せにするための条件をカーチャンに語りかけて説得していた保護主さんもこれには驚きました。

一方で、カーチャンが隣からいなくなった子猫は怯えた様子で、手の届かない建物の陰に隠れてしまいます。

この子猫を保護したいところだが…

その場ですぐにでも子猫を保護したい保護主さんでしたが、自宅には動物病院の診察に連れて行かなければならない先住猫がいました。

保護主さんは「お前の兄ちゃんたちもみんな幸せになった…お前の順番が来ただけだ」「一旦帰るがきっとお前は自分のところに来る」「カーチャンとの約束だからな」と話しかけ、その日は泣く泣く子猫の保護を諦めました。

そして4日後、保護主さんの腕の中にはあの日保護できなかったカーチャンが産んだ子猫が!あんなに怯えていたのに、子猫は膝の上で抱っこされて、穏やかな表情です。

その後、この子猫は保護主さんの元で家猫になるための修行を積み、里親さんの元で「モナ」ちゃんと名付けられ、幸せな日々を送ることになります。

カーチャンとの約束は無事に果たされた!

なお、捕獲されたカーチャンも無事に避妊手術を終え、リリースされました。賢い猫とは言え、長きにわたって野良猫生活を送っていた成猫が室内猫になって穏やかに生きるには、難しい壁がたくさんあります。

しかし、何年も繁殖を繰り返して子猫を人家に託し続けてきたカーチャンが今回こうして捕まえられたのは、そろそろお年であることも想像できるカーチャン自身、出産や子育ての大変さを実感し、人に助けを求めていた部分もあるのかもしれません。

カーチャンがとった驚きの行動には、『この母ちゃん猫は人を見る目が下手な人間よりもある』『この人間なら大丈夫だろうと思って子供を託しに来たんだな。賢いなあ』『どんな世界でも母ちゃんは偉大だね』といった母猫を称賛するコメントが続出しました。

また、保護主さんにも、『目で会話できるほどに信頼は得ていたのかもしれません。ちゃんと約束通り責任を果たす…素晴らしいと思う』『素晴らしい活動だと思います!』と、活動に共感する声が寄せられています。

カーチャンとのやり取りを映したこちらの投稿の前編にあたる動画や、保護された子猫のその後の様子は、他の投稿でご覧いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。

カーチャン、子猫ちゃん(後のモナちゃん)、保護主さん、この度はご協力いただき誠にありがとうございました!

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