臨界事故24年「忘れぬ」 茨城・東海で集会やデモ行進

東海第2原発の廃炉を訴えてデモ行進する参加者=東海村舟石川駅西

茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で起きた臨界事故から24年となった30日、同村石神内宿の石神コミュニティセンターで「JCO臨界事故24周年集会」が開かれ、参加者は事故の風化防止や日本原子力発電東海第2原発の再稼働反対などを確認した。

集会は、原水爆禁止日本国民会議や茨城平和擁護県民会議など六つの市民団体が主催。各団体の関係者や村内外の市民など約180人が参加した。

臨界事故を語り継ぐ会の大泉実成さん(61)=日立市=は、臨界事故で両親が被ばくした。亡き母親が心的外傷後ストレス障害(PTSD)で苦しんだことなどを説明し、原子力事故の恐ろしさを訴えた。

さらに、臨界事故や東電福島第1原発事故を経験しながら政府が原発推進にかじを切ったことに触れ、「違和感しかない。原発は止めて再生可能エネルギーの普及を進めるべきだ」と強調した。

会場では臨界事故の風化防止や東海第2再稼働阻止を目指すとする「集会アピール」も読み上げられた。

集会後、参加者らは「原発はいらない」などと書かれた横断幕を掲げ、「臨界事故を忘れないぞ」「東海第2の再稼働反対」と声を上げ、同センターからJR東海駅までの約2.3キロメートルをデモ行進した。

臨界事故は1999年9月30日に発生。作業員2人が死亡し、周辺住民ら約660人が被ばくした。

© 株式会社茨城新聞社