ロバンペラ「ソフトタイヤの選択は明らかに楽観的すぎた」/2023年WRCチリ デイ2後コメント

 9月30日(土)、WRC世界ラリー選手権第11『ラリー・チリ・ビオビオ』の競技2日目が行われ、前日のデイ1でトップに立ったMスポーツ・フォードWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1)が首位をキープしつつ、後続とのギャップを大きく拡げた。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6番手につけている。そんなデイ2を終えた各陣営からドライバーコメントが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合首位

「今日は並外れて素晴らしい一日だった。思いどおりになったし、荒れていたステージではスローダウンできるアドバンテージがあった。そして必要な時にスピードアップできたんだ」

「ここまで素晴らしい仕事ができたが、まだ終わってはいないから、明日も進み続けなければならない」

●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合16番手

「リヤタイヤが完全にだめになってしまった。バンクに接触して、(ステアリング)アームが壊れたと思ったので、スピードを落として走行を続けようとした。でも実際は右側のタイヤ2本がパンクしていたんだ。それほど(カッレ・)ロバンペラの邪魔にならなかったことを願うよ」

●アルベルト・ヘラ―(#28 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合18番手

「ヘアピンのひとつの入口に大きな石があったのが見えず、ステアリングを曲げてしまった。でも大丈夫だった。午前中のすべてのステージでそうだったように、スピンをしないように気をつけて、ここまで来たよ」
※いずれもSS12直後の公式インタビューより

オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
ステアリングアームの修復作業にあたるアルベルト・ヘラー(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合3番手

「今日はできる限りの仕事をしようとしたけれど、午後のループの中盤で、タイヤ管理に少々手をかけすぎたと思う。目標としていた2位に少し近づいたが、問題のない午後ではなかった」

「午後の1番目と2番目のステージ(SS10とSS11)の間でハイブリッドを失い、最後のステージ(SS12)ではパワーをすべて失ってリセットしなければならなかった。だからスタートラインから出るのが遅れたんだ。残念ながらそれで数秒をロスしたが、これが現実だ」

「明日は短いステージがふたつあり、また違った挑戦になるけれど、できる限り最大限の力を出していくよ。簡単にはいかないだろう。霧のリスクが高く、その影響が大きかったら順位全体が変わってしまう可能性もある」

●テーム・スニネン(#3 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合2番手

「今日のバトルは素晴らしかった。冷静になってあらゆることに集中し、タイヤを管理することがすべてだったと思う。もしも第1スティントでアタックしていたら、タイムを失っていたことは明らかだった。全体的に僕たちにとっては良い一日だったけれど、本当に大変だった」

「路面はジャンクションやコーナーごとに変わっているし、つねに対処し続ける必要がある。一部のセクションではタイヤを使い切らないととても遅くなってしまうので、それが厳しかった」

「明日2位になれたら素晴らしいだろう。そうすれば僕から何かを証明できることになると思う。それでも長い一日が残っているけれどね。ラリーを終えて結果が出たときが重要なので、引き続き集中し続けていかなければならない」

テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
ヒョンデi20 Nラリー1とボストンダイナミクス社の犬型AIロボット『Spot』
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合5番手

「午前中にソフトタイヤを選んだのは、明らかに楽観的すぎた。最初のステージが終わった時点で既に、タイヤの摩耗が自分たちの予想以上であることは明らかだった」

「午後は、ハードタイヤを履いていても依然難しい状況だったが、それでも最後のステージではまだいい状態だった。ただし、前にスタートしたクルマのダストにより、かなりタイムを失ってしまった。少なくとも、ドライバー選手権に関してはエルフィンとひとつしか順位が違わないのは良いことだし、明日のパワーステージで何ができるか見てみよう」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合4番手

「午前中はタイヤの摩耗が激しいことはわかっていたが、これほど厳しいとは予想していなかった。チリはグリップレベルも気温も比較的低いのだけど、今日の路面はハードでタイヤに攻撃的だった」

「ひとつ残念だったのは、午前中のループの残り5kmをうまく乗り切れなかったことだ。ステージの序盤は、自分ではそうは感じていなかったのだが、速く走りすぎたようで、その後大きくタイムを落としてしまった」

「それでも、午後は少し遅れを取り戻すことができたし、表彰台を争うチャンスはまだある。ティエリーとの差はまだそれなりにあり、走行距離はそれほど多く残っていませんが、もちろんベストを尽くして戦うつもりだ」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合6番手

「昨日とはまったく違って、今日はタイヤの摩耗にとても厳しいステージでした。最初のステージを数kmを走った段階ですでに非常に高いグリップを感じ、その時点でタイヤを温存する必要があることを理解しました」

「午後のタイヤ選択に関してはシンプルでしたが、それでも摩耗は依然激しく、2本目のステージで1本のタイヤに問題を抱えてしまいました。今日はかなりタイムを失ってしまったので、今はとにかくいいフィーリングでラリーを終えたいと思っていますが、もちろん、パワーステージではボーナスポイントを追加できるようにプッシュするつもりです」

エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ

© 株式会社三栄