メロン卒業しました~第78回~

メロン卒業しました~第78回~

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里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか? そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。 東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」 ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。 今回はメロンくん卒業のお話しです。

メロンくんは2023年2月にたまゆらに来ました。
前回ご紹介したホワイトくん、チャイちゃんの同期です。
メロンくんも人慣れをしていないといわれていたはずの子でした。

ところが、ホワイトくんよりは時間がかかったもののあっという間に人が大好き、お膝が大好きなスリスリさんに変身。
人が来るとすぐにお膝に乗って、そのまま寛いだり寝たり、お膝の上でおもちゃで遊んだりするくらいで、お客様のお膝にもすぐに乗ってしまうくらいの人好きになりました。

ただここでちょっと困ったことが。
メロンくん、人は大好きなのですが嬉しくてテンションが上がると人の手を噛んでしまうのです。
触られるのが嫌で噛んでしまうのなら触らないように気を付けることができるのですが、撫でてほしがって撫でられると噛むということでお客様にもお怪我をされる方が頻発し、目印としてシュシュを付けたりお客様に注意喚起したりで対応していくことになりました。

それでもちょっと油断していたり瞬発力があったりで噛まれてしまう方は後を絶たず、ここまで噛んでしまう子だと里親さんも見つかりづらいだろうし、万が一にもお子さんが噛まれてしまうようなことは絶対に避けたい(大人の方なら噛まれてもいいというわけでもないですが…)、いったん保護主さんのお家に戻ることも検討した方がいいだろうか、と悩んでいたころ、なんとメロンくん希望の方が現れたのです。

お声がけくださったのは、ご実家で猫さんと暮らした経験のあるかたでした。
なんとご実家の猫さんも噛んでしまう子で、猫は噛むもの、という認識でいらっしゃったとのこと。
こんなぴったりな方がいるだろうか、ということでメロンくんのトライアルが決定しました。

トライアル出発前のメロンくん。
卒業のお祝い、いつも皆さまありがとうございます。

新しいお家でのメロンくんは予想通りさほど緊張した様子も見せず、すぐに馴染んでくれました。
それどころか初日からごはん頂戴の催促で大きな声で鳴き続けるくらいの適応力で、里親さんからのご連絡も噛んでしまうことではなく鳴き声対策についてが大半、ついにはご近所迷惑を心配するまでに。
まさか噛んでしまうこと以外でお困りが発生するとは想定外でした。

ご様子を見ていただきながらしばしやり取りをする中でふと「あ、これはメロンくん新しい環境にはしゃいでるな?」と思い当たりました。
以前にもトライアル直後にはしゃいで、たまゆらでは大人しかったのに夜中に運動会しちゃったりと、似たような行動をしていた子がいたのです。
そこで、多分今だけでもう少ししたら落ち着くのではないかと思います、とお伝えし、しばらく様子を見ていただくことにしました。

トライアル終了の日。
ご連絡を差し上げたところ、とても順調で落ち着く時間が長くなったとのこと。
やはり新しい環境ではしゃいでいたのではないかと思います、とご返信が来ました。
さらに最近では一緒に寝るようになっていること、一番の懸念事項だった噛み癖はほとんどなくなっていることなど嬉しいお知らせばかり。
全く問題なく正式譲渡となりました。

メロンくんの名前はそのままメロンくんです。
ずっとのお家おめでとうメロンくん、いっぱい可愛がってくれるご家族と末永くお幸せにね!

文・今場奈々子(たまゆら店長)

保護猫カフェたまゆら

営業時間
※ホームページにてご確認ください

平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~17時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜

東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639

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