Moto2:小椋藍、体調不良乗り越え2年連続表彰台「2位に満足。スタートから2周がすべてだった」/第14戦日本GP

 10月1日、2023年MotoGP第14戦日本GP Moto2クラスの決勝が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)は2位表彰台を獲得した。

 2022年の第16戦日本GPで優勝を飾った小椋は、2年連続での優勝を目指すとともに、1年ぶりの母国GPに意欲を見せていた。そんな小椋は、1分50秒804の自己ベストをマークして総合5番手となった。予選Q2では、チームメイトのソムキャット・チャントラがオールタイムラップ・レコードをブレイクしてポールポジションを獲得し、小椋もそれに続きフロントロウを獲得した。

 決勝では、ポールシッターのチャントラが抜群のスタートでホールショットを奪い、2番手にジェイク・ディクソン(Asterius GASGAS Aspar Team)、3番手にはアロンソ・ロペス(CAG SpeedUp)、小椋は4番手に続く。早々に小椋がロペスを捉えて前に出るが、チャントラとのギャップは2秒ほどに広がりつつあった。

 小椋は落ち着いた走りで徐々に差を詰めていくが、一向に距離は縮まらない。しかし、残り10周を切る頃、独走体制を築いていたチャントラと2秒以上あったギャップが1.4秒ほどに縮まる。

 小椋はさらに猛プッシュで前を追うが、ラストスパートをかけるチャントラにわずかに届かない。そのままチャントラがトップチェッカーを受け、小椋は2位でフィニッシュ。予選同様にIDEMITSU Honda Team Asiaが強さを見せ、ワン・ツーを占める結果となった。

 また、優勝こそ獲得とはならなかったが、小椋にとってはもてぎで2年連続での表彰台獲得となり、レース後を次のように振り返った。

Moto2:2位獲得の小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2023MotoGP第14戦日本GP 決勝

「今回は2位に満足しています。スタートから2周がすべてだったと思います。その後は、チャントラとペースが変わらなかったので、最初の何周かで開いた差が決め手になってしまいました。抜かれてしまったので、スタートは良くなかったですね」

「ジェイク(・ディクソン)は、いつもスタートが上手なので抜かれるのはわかっていましたが、その他に抜かれると思っていなかったので残念でした。その後は走り切っただけで、やることはやったというレースでした。それ以上ではなかったですが、少しホッとはしました」

 また、小椋はウイーク中に少し体調を崩していたようで「金曜日がいちばん悪かったけど、今日の体調はだいぶいいですよ。ファンの声援が後押しになりました。嬉しいですね。予選2番手だから優勝を期待されるのは当たり前ですけど、ちょっと足らなかったですね……」と語った。

「朝起きた時はレースのことを考えてなくて、体調が良くなっていることが嬉しかったです。雨……とは思いましたが、(レースでは)乾いてよかったです」

 万全とは言い切れないものの、体調は回復傾向にあったようだ。そんな小椋は、レース終了後にバーンアウトでファンの声援に応える姿を見せていた。

「ゴール後は、金土とまったくできなかったので観客に“ありがとうございます”と意味を込めてファンサービスを行いました。自分のできる範囲ですけどね」

 また、残りのシーズンについて聞かれると「こんな感じで最後まで行ければ、一番いいですね」と答えていた。

「プラクティスから上位にいて、決勝までという今週みたいなウイークを作れれば、その中に優勝も何回かできると思います。それができればベストですね。今回のチャントラみたいに2、3人は速いライダーがいるんで……。ブリラムではやり返したいですね」

 今シーズンは怪我の影響でややスタートが出遅れた小椋だが、徐々に復活の兆しを見せている。始まったばかりのアジアラウンド、小椋は残り6戦でどのような戦いを見せてくれるだろうか。

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