「ご利益ありそう」“天下の奇祭”「どんつく祭」 コロナ禍など乗り越え5年ぶりに復活=静岡・東伊豆町

「天下の奇祭」と呼ばれる静岡県東伊豆町稲取の伝統行事「どんつく祭」が9月30日夜、実に5年4か月ぶりに復活し、稲取のまちは地元の人や観光客などで大いににぎわいました。

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「どんつく祭」は、男性を象徴する巨大なご神体をみこしに乗せて練り歩き、夫婦和合や子孫繁栄などを願う祭典。集客力の低下やコロナ禍を理由に、2018年以降は規模を縮小していました。稲取の温泉街を練り歩くのは、2018年6月3日以来。「ソリャ! ソリャ!」と威勢のいい掛け声とともに、みこしに乗ったご神体が上下に揺れながら進んでいきました。

担ぎ手の休憩時間には、多くの女性が“ご利益”を求めてご神体にまたがる一幕も。静岡県下田市から来た30代女性は「見晴らしがよかった。ご利益がありそう。子供の前に、まずは出会いがほしい」と話しました。

イベント開始前の夕方には、ご神体を乗せたみこしが会場に置かれ、多くの観光客が写真に収めていました。地元グルメなどの出店が並んだほか、「福 子宝飴」と題したアメや“ご神体”をかたどったチョコバナナなどユニークな商品もよく売れていました。

あいさつに立った岩井茂樹東伊豆町長は「みなさんはここ数年、コロナで大変な思いをされました。このどんつく祭が、そんな思いを払拭するきっかけになればいいと思います。できれば、これからも毎年やりたいと思いますが、いかがでしょうか」と声を上げ、拍手が起こりました。

イベントの最後には「どんつく~」の掛け声とともに花火が打ち上がり、温泉街の夜空を染めました。

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