「ちょっと子どもに戻ったオトナな気持ち」 原英莉花の一問一答

4番目の若さで国内メジャー3勝(撮影/村上航)

◇国内女子メジャー◇日本女子オープン選手権◇芦原GC海コース(福井)◇6528yd(パー72)◇雨のち晴れ(観衆9127人)

原英莉花が2020年以来2度目の国内最高峰競技2勝目を挙げた。大会出場56回目の菊地絵理香と最終日最終組で一騎打ちを展開。首位から出て1イーグル3バーディ、1ボギーの「68」で回り、通算15アンダーまでスコアを伸ばし、菊地に3打差をつけて逃げ切った。腰の手術から復帰後8戦目のタイトルは、21年「大王製紙エリエールレディス」以来2年ぶりのツアー通算5勝目。また「24歳228日」での国内メジャー3勝は畑岡奈紗(20歳245日)、諸見里しのぶ(23歳59日)、樋口久子(23歳285日)に次ぐ4番目の若さでの達成になった。

<優勝会見一問一答>

大ギャラリーも力をくれた(撮影/村上航)

Q.今の気持ちは?
―長かったんですけど“戦い抜いた”って思いが強いです。
Q.4日間とも60台だった
―1番でバーディがとれて、いい流れで行けるかなと思ったけど、2番のボギーで引き締まった。「ガンガン行ける感じじゃないんだな」と新たに気持ちを作り直してプレーできた。
Q.米ツアーの予選会(2次)に向けて、いい感じ?
―(笑って)そう思います!
Q.通算5勝で国内メジャー3勝
―メジャーに強い…のかな。難しいコースセッティングで、結構、自分の味が出せたかなと思う。
Q.ゴルフの調子は?
―ドライバ―ショットが自分の中で、コントロールが出来ていたので、いいスコアが出せると思った。曲がる気がしなかった。思ったようなスイングと、ボールが打てていたので、自信を持って、ずっとプレーできました。
Q.その自信はいつぶり?
―昔、シャフトで46.5インチを使っていて、46インチになってから、ドライバー選びに苦しんでいました。ずっと、いろんなドライバーを模索して、なかなかいいショットが打てなくて。腰の影響もあったと思うけど、いつぶりかわからないくらいです。先週から久々にいい感覚が持てました。今週も(腰の)ケアなしでは難しかったけど、トレーナーさんに入念にケアしてもらって(コースの激しい)アップダウンの中でも疲れずにできました。
Q.最終日は18番もバーディだったら、パー5全部がバーディだった
―(笑って)うわー。やっぱり、そこ(パー5でバーディが多かったこと)がいいプレーにつながったというか、そのあとのパーパットだったり、気持ちの面でのっていけました。
Q.国内メジャーになると引き締まる?
―ちょっと試合の雰囲気が違うし、コースも毎年変わって、新しい気持ちで挑めるっていうのもいいのかなと思います。過去の記憶だったり…が頭を巡らずに、今の状態で戦えるのがすごくいいです。

一時は選手生命すら危ぶんで…(撮影/村上航)

Q.2021年「大王製紙エリエールレディス」で4勝目を挙げてから、辛かった時期は?
―去年ですかね。シードも…(涙を浮かべて)普通の状態なのに、とれないんじゃないかって思いながら戦っていました、夏場から。そこがつらかったです。
Q.支えになったものは?
―応援してくださるスポンサーさんだったり、一緒に戦ってくれるチームのみんなだったり。一緒に戦っている人がいるという思いで、頑張っていました。
Q.3年前に優勝した2020年大会は無観客、今年は大ギャラリーがいた
―すごく、熱い応援をしていただいて、一緒に戦ってくださるファンの皆さんがいて、すごく楽しかったです。
Q.今のドライバーは先週から?
―いえ(3試合前の)日本女子プロ選手権から使っています。
Q.新しいドライバーにして?
―(持ち球はフェードだが)つかまるイメージにしたらストレートボールになった。最初、ドローを打とうとしたらドローが出た。インパクトでつかまえる感じで。

2週後には米ツアー2次予選会へ(撮影/村上航)

Q.手術後にゴルフができる喜びは?
―感じてます。復帰戦ぐらいからワクワクしていて、楽しいだけじゃないし、戦っていかなきゃいけないっていうところで。日々、練習できることもうれしいですし、腕を磨けずに試合に挑んでいたもどかしい時期を越えて、納得できる練習をして、試合に挑める楽しさっていうのが“ちょっと子供に戻ったオトナな気持ち”というか。押し殺していた気持ちがまた復活している。すごく楽しくて、でも悔しい気持ちも持てて、いい感じでゴルフができています。「悔しい」って思った試合での気持ちを練習やトレーニングへ前向きに、次につなげられるので。
Q.師匠の尾崎将司には?
―ドライバ―が飛んでいないっていうことで、ドライバーを入念に見て頂いていました。シャフトを、ジャンボさんからいただく機会が2度あって、1回目はミズノさんのドライバーヘッドを使っていたときにシャフトをいただいて、試合で使わせていただいていた。今のキャロウェイのパラダイムにチェンジして、もう1回頂きました。「ちょっと不安だな」と思って、サブのも使っていたら「作り甲斐のないやつだな」って言われて。そこから口をきいていただいていません。
Q.今年、腰の痛みはいきなり来たのか?
―しびれてしまって「注射お願いしまーす」って行ったら、注射が効かなくて。それが福岡の試合(5月12日開幕のRKB×三井松島レディス)の前の週で。ハワイに試合(4月のロッテ選手権)に行っていて、その前にも「しびれているな」と思ったけど、向こうは(暖かいから?)大丈夫だよって言われたのでそのまま行って、本当に大丈夫だった。そこから帰って、次の川奈の週(フジサンケイレディス)からちょっとして、何か「右脚に違和感があるかな」と思いながらも、一応プレーできていた。「飛距離が落ちたな」と思ったけど、気持ちは前向きだから普通にゴルフをしていたけど、ガーンと来たので、どうしようと。
Q.腰を痛めて気づけたことは?
―右脚がずっと使えなくなっていたことに気づけなかったです。今は右脚の出力が出せている分、腕じゃなく捻転と(上下の)連動でボールを打てている気がするので、そこは再現性が高くなっていると思います。
Q.前回、2020年の日本女子オープンに勝った時と、今回勝ったことの意味は?
―この舞台はいつまでたっても憧れです。2回もカップに名前を刻めたことはすごくうれしいなと思います。

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