10月1日、2023年MotoGP第14戦日本GP MotoGPクラスの決勝が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのファビオ・クアルタラロは10位、フランコ・モルビデリは17位で終えている。また、ワイルドカード参戦のカル・クラッチロー（ヤマルーブRS4GPレーシング・チーム）は13位でポイントを獲得している。
決勝日を迎えたもてぎは早朝に雨が降り、一時は回復に向かったが、MotoGPクラスの決勝前にはまたも雨が降り出す天候となった。全ライダーがスリックタイヤのマシンでスタートするも、直後にホワイトフラッグが提示され、1周を終えてほとんどのライダーがレインタイヤを装着したマシンに乗り換えを行う。
しかし、クアルタラロとモルビデリはともにコース上に留まった。一時2番手に浮上したクアルタラロは1周遅れでピットインを行い、マシンを乗り換えて18番手でコースに戻る。モルビデリは雨が止むことに賭け、そのまま続行するが、雨足はさらに強まっていく。
4周目には、早々にマシン交換を終えていたライダーたちに追いつかれてしまい、モルビデリは集団に飲み込まれてしまった。翌周にようやくマシンを乗り換えて戻るが、前方のグループからすでに大きく離され、17番手でコースに復帰となった。
一方早めにマシンを乗り換えたクアルタラロは、ウエットコンディションに早々に適応させ、猛烈な追い上げを見せていた。12周目には11番手まで挽回し、さらにヨハン・ザルコ（プリマ・プラマック・レーシング）の転倒で10番手に順位を上げる。しかし、ここでフラッグが提示されて一時中断となった。
その後、中断前の順位にてリスタートのアナウンスが流れるも、サイティングラップで再び赤旗が提示されてそのままレース終了。それによりクアルタラロは10位、モルビデリは17位で、違う戦略を取ったふたりの明暗が分かれる結果となった。
■ファビオ・クアルタラロ（決勝：10位）
「1ラップ長く走行を継続しようとしたんだ。確かに雨が降っていたけれど、あの時点ではそれほど濡れていたわけではなかったからね。結局はその判断が間違っていたことになるけれど、あのときは12位か13位、あるいはとにかくどこかのポジションを争っていたわけだから、試してみるしかなかったんだ」
「つまり自分自身に挑戦を課したんだ。その点をポジティブに受けとめるべきだと思っているよ。より良い展開になっていれば、もっとよかったけれど、それでもポジティブな面にも焦点を当てる必要があると思う。次のマンダリカがヤマハのマシンに合っていることを期待しているよ」
■フランコ・モルビデリ（決勝：17位）
「他とは違う戦略を試み、スリックタイヤのまま行くことにしたんだ。雨は降っていたけれど、そのうち止むことを期待したんだよ。でもその戦略全体が、結局は報われなかったということだ。ウエットタイヤに替えたあとはスピードが上がったけれど、すでに差が広がってしまっていたんだ」
■カル・クラッチロー（決勝：13位）
「スターティンググリッド上で雨が降り出し、波瀾に満ちた展開になった。スリックタイヤで数ラップ走行し、早めのピットインのチャンスを逃してしまったんだ。賭けに出ることも可能だし、雨は止むかもしれないと思ったけれど、明らかにそうはならず、むしろ一層、強くなってしまった。結果的に僕たちはピットストップのやり方を間違えて、もう一度ロングラップペナルティを課されてしまった。つまりウイーク中に2度のロングラップペナルティを経験したんだ」
「それでも今回は、YAMALUBE RS4GP Racing Teamとともに良い時間を過ごすことができたよ。マシン開発を前に進めるための解決策を探すことで協力し合い、ともにベストを尽くした。前にも話した通り、僕の好みのセッティングではなかったけれど、このデータ収集が非常に重要だ。セッティング変更の効果を確認するためにも、今日は何としてもドライコンディションでレースがしたかったけれど、難しい状況のなかでもベストは尽くしたよ」
「雨のなかでいいレースをして、フルウエットコンディションでポジションを上げることもできた。でも視界が遮られるようになり、非常に危険な状態だったから、レース中止の判断は正しかったと思っている。11月にヘレスとバレンシアで予定されているテストでも僕たちのテストプログラムを継続していくよ。ふたりのヤマハライダーの幸運を祈っている」
