ウクライナ支援疲れ、浮き彫りに 東欧で足並み乱れ拡大も

スロバキアの首都ブラチスラバの投票所で、投票用紙を受け取る男性=9月30日(ゲッティ=共同)

 【ウィーン共同】ウクライナの隣国スロバキアで9月30日実施の国民議会選挙で、ウクライナへの軍事支援停止を訴えた左派スメルが第1党になり、物価高騰などに直面する有権者の支援疲れが浮き彫りとなった。ポーランドでも10月、総選挙が予定され、東欧で支援を巡る足並みの乱れが拡大する可能性がある。

 スロバキアはウクライナ支援では、旧ソ連製の戦闘機や旧ソ連時代に開発された地対空ミサイルシステムを供与するなど積極的だった。

 一方、近年はコロナ感染拡大などの難局に直面。「ウクライナ人が優先されている」との不満が高まった可能性がある。スメルはこうした声を取り込んだとみられる。

 ポーランドでは侵攻後、東欧経由の陸送拡大で通過する安価なウクライナ産穀物が自国内に流入。市場価格は侵攻前の3分の1に下落したとされ、農家が強く反発する。

 総選挙を控え、政権を率いる保守与党は支持基盤である農家の保護優先を強調。モラウィエツキ首相は「自国の利益が最も重要だ」との主張を繰り返し、ウクライナへの武器供与停止にも言及している。

© 一般社団法人共同通信社