暴力、セックスを封印 人はどう死んでいくのか?鬼才ギャスパー・ノエ監督が「病」と「死」をテーマに描く『VORTEX ヴォルテックス』

『VORTEX ヴォルテックス』© 2021 RECTANGLE PRODUCTIONS – GOODFELLAS – LES CINEMAS DE LA ZONE - KNM – ARTEMIS PRODUCTIONS – SRAB FILMS – LES FILMS VELVET – KALLOUCHE CINEMA

新作のたびにその実験的な試みと過激描写で世界中を挑発し続けてきた鬼才ギャスパー・ノエ監督が、「暴力」「セックス」を封印、「病」と「死」をテーマに自身の経験を経て新たな世界を作り上げた最新作『VORTEX ヴォルテックス』が、12月8日(金)より劇場公開が決定。このたび、日本オリジナルポスタービジュアルと予告編が解禁となった。

老夫婦、人生最期の“死に様”

本作は、人はどう死んでいくのか?誰もが目をそむけたくなる現実を、真正面から冷徹なまでにまざまざと描いたギャスパー・ノエ監督の新境地にして最高傑作。

主演は、80歳にして初主演を果たしたホラー映画の帝王ダリオ・アルジェントと、『ママと娼婦』の娼婦役で鮮烈な映画デビューを飾り伝説的な女優となったフランソワーズ・ルブラン。演技とは思えないふたりの奇跡の名演に目を奪われずにはいられない。スプリットスクリーンの画面分割によって、老夫婦の日常が2つの視点から同時進行で映し出されていく。心通わぬ家族、不測の出来事、やがて訪れる死。我々は、暴力なき恐怖の渦に吸い込まれ、“死ぬまで”を追体験する。

認知症を患う妻と心臓病を抱える夫の人生最期の日々

ポスターは、薔薇が敷き詰められ、まるで“棺桶”を連想させるような枠の中で瞳を閉じる夫(ダリオ・アルジェント)と、妻(フランソワーズ・ルブラン)の老夫婦が目を引く衝撃的なビジュアル。「人生は、夢の中の夢」という意味深なキャッチコピーも添えられ、二人を待ち受ける逃れられない老いや孤立、死…そしてギャスパー・ノエ監督が本作で描く、死よりも恐ろしい「現実」を否が応でも感じさせる不穏に満ち満ちたものへと仕上がっている。

予告編では、本作を象徴するスプリットスクリーンのシーンが盛り込まれており、心臓病を患う“夫”と認知症が進行する“妻”……余命いくばくもない彼らと、離れて暮らす“息子”(アレックス・ルッツ)の姿がとらえられている。

一見仲睦まじい夫婦の日常を描いていくのかと思いきや、次第に日常が崩れ去り、誰もが目を背けている“逃れられない運命”が無情にも迫りくることを予感させるものとなっている。本作で映画初主演および本格的な演技初挑戦となった、ホラーの巨匠ことダリオ・アルジェントの姿にも注目だ。

これまでに、『アレックス』(2002)や『CLIMAX クライマックス』(2018)といった過激で「動」な作風が特徴だった監督が、本作では打って変わって静かに、しかし確実にゆっくりと破滅へと向かっていく人々の人間模様を、目を背けたくなるほどに克明に描き切る。

<オリジナルポストカード付き特別鑑賞券>

9月29日(金)より販売開始
販売価格:¥1,600(税込)
特典:オリジナルポストカード(※数量限定)
※発売劇場はこちら

『VORTEX ヴォルテックス』は12月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開

© ディスカバリー・ジャパン株式会社