中部電力ら、商用EV向け充電マネジメントシステム開発・提供へ

中部電力株式会社(以下、中部電力)らは9月28日、路線バスや配送トラックなどの商用EV向けに急速充電器での最適な充電を可能とする充電マネジメントシステムを共同で開発したと発表。10月下旬からの同システム「OPCAT(オプキャット)」のサービス提供に向け、申込受付を開始している。

今回の取り組みは、中部電力とアークエルテクノロジーズ株式会社(以下、AAKEL)で実施する。OPCATの特長は、複数台のEVの充電を最適に制御し、施設全体の消費電力を抑え(ピークカット)、電気料金の安い時間帯に充電をシフト(ピークシフト)することだ。これにより、EVの導入によって生じる電力設備の増強や電気料金(契約電力)の上昇などの経済的な負担を最小限とすることが可能となる。また、運行計画を踏まえた最適な充電により、急速充電による車両稼働率の向上、さらなる車両電動化に伴うCO

削減にも寄与するという。

なお、両社は、OPCATのサービス提供を通じて、商用EVのさらなる普及に向けた課題解決、環境整備を進めることで、社会や利用者とともに脱炭素社会の実現に貢献していくと述べている。

▼関係者のコメント

■中部電力 事業創造本部 部長 石川和明氏のコメント

国は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、電気自動車等の普及促進のため、公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラを15万基設置し、2030年までにガソリン車並みの利便性を実現することを目標に掲げています。これに伴い、バスやトラックなどの商用車においても電動化に向けて、急速充電器の設置台数も拡大していくと想定しています。

そのような環境において、アークエルテクノロジーズ様の独自技術により、EVのスマート充電と複雑な運行管理を全て一括管理・自動化することが可能なシステム「OPCAT」は、市場において優位であると考えています。

アークエルテクノロジーズ様とともに商用EVのさらなる普及に向けた課題解決、環境整備を進めることで、可能な限り多くのお客さまに採用いただき、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

■AAKEL 代表取締役 CEO 宮脇良二氏のコメント

2050年のカーボンニュートラルに向けて、車両のEV化は企業と自治体が必ず取り組むべき事項です。そうした中、導入が先行する企業や自治体では、数々の課題に直面しており、特に充電についてはそれが理由でEVへの切り替えが進まない事態も発生しています。

そうした課題を解決するためには、車両の状態をリアルタイムで取得し、最適に車両と充電の管理を行うことが必要となります。弊社はそれらの実現のために、中部電力様と急速充電器におけるEV充電と車両の管理を行うソリューションを開発しました。国内外の企業様との比較実証において、当社が選定されたことは大変嬉しく、身の引き締まる思いです。

中部電力様と共に急速充電器における商用EV導入と運用に関する不安を払拭することで、企業と自治体の皆様のEV普及に貢献できることを楽しみにしております。

(出典:中部電力 Webサイトより)

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