【MLB】 ジョーイ・ボットーが1回裏にまさかの退場 これが引退試合の可能性も

写真:レッズのジョーイ・ボットー

試合がプレーオフ争いに関係ないならば、シーズン最後の162試合目は惜別の場ともなる。

今季限りで現役を引退することを表明したタイガースのミゲル・カブレラが大観衆に惜しまれて引退すれば、引退を表明してはいないもののロイヤルズのザック・グレインキーも好投後にカーテンコールを受けた。

そんな中、ファンにしっかりとした別れを告げそびれた選手もいる。

シンシナティ・レッズの一塁手、ジョーイ・ボットーがそれだ。

ボットーは現役引退を表明しているわけではないが、今季が40歳で10年契約の最終年。現役引退の可能性はもちろん、これまで一筋で在籍し続けたレッズの選手として集大成の可能性もあるということで、先日のレッズの最後のホーム戦ではスタンディングオベーションを受けていた。

前日にレッズのプレーオフ進出の可能性が途絶えたこともあり、シーズン最後の敵地でのカージナルス戦でボットーは4試合ぶりに「3番・一塁」でスタメン出場を果たした。

ところが、その第一打席。ボットーは3球目の内角に外れた速球をストライクとコールされてしまう誤審もあり、空振り三振に倒れてしまう。

そして、1回裏に守備から戻ってきたボットーはベンチにて主審から退場処分を受けてしまったのだ。デビッド・ベル監督とボットーはすぐにベンチから飛び出し、抗議したが時すでに遅し。ボットーはそのまま退場となってしまった。

引退試合の可能性がある試合でのまさかの展開には騒然となったが、ボットーはすぐに謝罪を表明。

ボットーは試合中ではあるものの、退場となっていたため、X(旧ツイッター)のポストを更新した。「僕はチームのベンチから審判に大声で叫ぶことはできない。彼が僕を退場させたのは完全に正当なことだった。今日私のプレーを見たかった方には申し訳ありません」

ボットーはメジャー歴代34位の通算1365四球を選び、“審判より正確”と評されることもある選球眼がトレードマークの選手。さらに、かつてイチローに51枚のピザを送ったエピソードが有名にもなった、球界きっての“変人”でもある。そしてたしかに、問題となった3球目のストライクはストライクゾーンを横に外れている。

MVP受賞と6度のオールスターを誇るスーパースターの最後として、1回の第一打席の三振からの即座の退場劇は当然ふさわしいものではない。

しかし、ボール球をストライクコールされたことに抗議して退場になるというのは、ボットーのスタイルを実に体現している。ある意味でこの上なく“ボットーらしい”エンディングだったのかもしれない。

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