大分東高に献血バス、生徒や教職員が協力 意義や大切さを実感【大分県】

献血を体験する大分東高の生徒=大分市屋山

 【大分】大分市屋山の大分東高に9月27日、献血バスが出向いた。若年層の献血割合が少なくなっている中、高校生に人の命を救う献血の意義や大切さを実感してもらおうと、同校の協力で県と県赤十字血液センターが実施した。献血バスが県立高校に訪れるのは7年ぶり。

 事前に同センターが全校生徒を対象に、血液の使われ方や輸血を受けた人の声を紹介するオンラインセミナーを開催。その上で献血の希望者を募った。

 当日は同校の文化祭。昼休みや放課後に生徒、教職員らが次々と献血会場を訪れた。200ミリリットル献血をした1年の秋吉虹依弥(れいや)さん(16)は「針が痛いイメージがあったけど、思ったほどではなかった。これからも機会があれば協力したい」と笑顔だった。

 同校が県の「高校生献血の輪拡大推進校」に指定されていることから声がかかった。金田浩嗣校長(58)は「スクールポリシーの社会貢献、地域貢献にもマッチする。体験を通して血液を必要とする人がいることを自覚し、誰かの役に立つことの喜びを感じてほしい」と話す。

 県によると、新型コロナウイルス禍の影響で全国的に大学や専門学校、高校への献血バスの配車が減った。少子高齢化もあり、10~30代の若年層の献血者は減少傾向が続いている。日本赤十字社の統計では、県内の献血率(2022年)は50代が最も高く10.3%、10代は2.7%と特に低い状況にある。

 大分東高では生徒24人、教職員ら20人の申し込みがあった。県薬務室の小中智晶主任(29)は「予想以上に多くの生徒に関心を持ってもらえた。献血のきっかけづくりとして他の県立高校にも協力を呼びかけたい」。

 県赤十字血液センター献血推進課の川野祥吾係長(43)は「一度経験しているかどうかで献血へのハードルが低くなる。10年、20年先を見据えた取り組みとして県と共同して推進していきたい」と話した。

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