実際のFBI尋問記録を完全再現 トランプ政権最大の疑惑を暴いた事件描く 「リアリティ」予告

2023年11月18日より劇場公開される、実際のFBI尋問音声記録を完全再現した、ニューヨークの現代演劇シーンで活躍する新進気鋭の劇作家ティナ・サッターの映画監督デビュー作「リアリティ」の、予告編が公開された。

予告編は、感情をなんとか抑え込むようにじっと一点を見つめる主人公のリアリティ・ウィナーに、FBI捜査官がなだめるような口調で語りかけるシーンから始まる。実際のFBI尋問記録をなぞって、「やあ 調子は?」という軽いあいさつまでも再現されており、本作のセリフは事実を完全にそのまま使用したことが提示される。FBI捜査官とは思えないラフな服装や親身な振る舞いに、始めは愛想笑いを浮かべる余裕すら見せていたリアリティだが、FBI捜査官の視線は“事件の容疑者”に向けられていることが垣間見えた瞬間から、たちまち不穏な空気が漂いはじめる。

「リアリティ」は、2017年に米国家安全保障局(NSA)の契約社員だった25歳のリアリティ・ウィナーが、国家機密の漏えいの罪状で逮捕された事件を題材とした作品。買い物から帰宅したリアリティ・ウィナーは、見知らぬ2人の男性に声をかけられる。笑顔を向けて自らをFBI捜査官と名乗る彼らは、ある事件に関する捜査をしていると告げる。「引っ越してどのくらい?」「ペットはいる?」と、気さくで穏やかな口調のまま何気ない質問を繰り返す彼らだったが、会話は徐々に不穏な空気を帯びはじめ、ある衝撃の真相へと切り込んでいく。

ティナ・サッター監督は、裁判で公開されたFBIによる尋問音声記録の一部始終を、何気ない会話や息づかい、せき払いひとつに至るまで、一言一句を完全再現。事件の尋問記録について、「すでにスリラーが完成されていた。リアリティ・ウィナーとは何者なのかということに完全に夢中になった」とコメントしている。主演は、ドラマ「ユーフォリア/EUPHORIA」や、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で知られるシドニー・スウィーニー。

リアリティ・ウィナー事件とは、2017年に米国家安全保障局(NSA)の契約社員だった25歳のリアリティ・ウィナーが、国家機密の漏えいの罪状で逮捕された事件。具体的には、ロシアのハッカーによる2016年のアメリカ大統領選への介入疑惑に関する報告書を、メディアにリークしたというものだった。トランプ大統領誕生はロシア政府に仕組まれたものだったかもしれないという、トランプ政権を揺るがすセンセーショナルなニュースは世界中を驚がくさせ、個人の情報漏えい罪として史上最長となる懲役5年の刑を言い渡されたリアリティは、”第2のスノーデン”として注目を集めた。

【作品情報】
リアリティ
2023年11月18日(土)シアター・イメージフォーラム、シネ・リーブル池袋ほかロードショー
配給: トランスフォーマー
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