水道料金を1.5倍に 和歌山・みなべ町長に審議会答申、県内平均とほぼ同じに

小谷芳正町長(右)に水道料金の改定額についての答申書を手渡す井口守純会長=25日、和歌山県みなべ町芝で

 和歌山県みなべ町水道料金制度審議会(井口守純会長、委員11人)はこのほど、水道料金の改定額について小谷芳正町長に答申した。今後、適切な維持管理をすることで持続可能な施設にするために、事業財源の確保や赤字解消が必要だとして、現行の料金から1.5倍ほど引き上げることが適当などとする内容。改定時期は来年度中としている。

 審議会は昨年11月、小谷町長から委嘱され、これまで4回にわたって会合を開き、適切な料金水準の設定などについて検討してきた。

 町生活環境課水道室によると町の水道施設は、昭和30~40年代に整備したものが多く、老朽化が進んでいる。さらに旧耐震基準のものも多く、水道管の経年劣化で漏水事故などが発生している。このため、大規模な施設改修や更新のための工事をしなければならず、財源確保が必要。

 一方で、現行の水道料金は県内でも2番目に低く、高い自治体と比べると半分以下で、全国的にみても低料金となっている。また経営状況を分かりやすくするため、2020年度に上水道と簡易水道を一本化したが、施設の減価償却費や修繕費が年々増えてきたことで、同年度と21年度の2年連続で赤字となった。

 これらを踏まえ、審議会は事業財源の確保と赤字解消の目標を10年で達成するため、現行の水道料金を1.5倍ほど引き上げることが適当だとした。これで改定すれば、現行の平均的な使用の料金である819円(1カ月当たり)が、県内の平均とほぼ同じになるという。

 水道料金は口径別の基本料金と超過料金、メーター使用料で算定するが、メーター使用料については現行の料金を据え置くことが適当だとした。

 改定時期は来年度中としており、1度でするか、段階的にするかについては、財政事情と社会情勢に伴う水道使用者への経済的な影響を考慮した上で適切に実施するよう求めた。

 町は町民に知らせるため、今年中に町内各地域で説明会を開きたいという。

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