【MLB】 投手戦に期待! ブルージェイズ対ツインズのワイルドカードシリーズ展望

写真:ブルージェイズの菊池は秘密兵器に!?©Getty Images

ブルージェイズ対ツインズのワイルドカードシリーズは、日本時間10月4日の5時38分に第1戦がスタートする。ア・リーグ中地区王者のツインズとワイルドカード3位のブルージェイズとのシリーズの行方を展望してみよう。

現時点で発表・予想されているマッチアップは以下の通り。

第1戦 ブルージェイズ:ケビン・ゴーズマン vs. ツインズ:パブロ・ロペス
第2戦 ブルージェイズ:クリス・バシット vs. ツインズ:ソニー・グレイ
第3戦 ブルージェイズ:ホセ・ベリオス vs. ツインズ:ジョー・ライアン

メジャー唯一の4人の規定到達者を誇る層の厚いブルージェイズ投手陣と、リーグ最高の2枚看板を誇る個の力が強いツインズ投手陣が激突するとあって、先発のマッチアップは甲乙つけがたい。

第1戦はア・リーグ奪三振王ゴーズマンと、奪三振ランキング2位のロペスとの、サイヤング賞ファイナリスト有力候補同士の投げ合いが実現。第2戦はツインズがWエースの一角、ア・リーグ防御率2位のソニー・グレイが先発、ブルージェイズは後半戦防御率2.89と調子を上げてきたクリス・バシットが想定される。第3戦はベリオスとライアンが予想される。

2人の日本人投手、ブルージェイズの菊池雄星とツインズの前田健太は切り札としての起用で存在感を発揮するかもしれない。

4番手として安定感を発揮してきた菊池は、最大3戦のワイルドカードシリーズではブルペン待機となるだろう。シュナイダー監督は『スポーツネット』に「我々は彼を本当に良い投手として見ている。ポストシーズンに入れば、色々な役割ができるだろう。彼はどちらでも(先発でもリリーフでも)できる。我々は彼を必要としている」と菊池への高い信頼を感じさせるコメントを残している。

ブルージェイズのブルペンは、ジョーダン・ロマノとジョーダン・ヒックスの剛腕コンビを筆頭として、メジャー8位の防御率を記録する優秀なブルペンだが、ロング要員は薄い。先発が早期降板するリスクを考えれば、長いイニングを任せられる菊池の存在は非常に大きい。特にツインズはマックス・ケプラー、エデュアルド・ジュリエンら左の強打者が多く(右打者の層が薄い)、左腕の菊池は戦略的に重要な存在になり得る。

前田はシーズン終了を前にしてブルペンに回されることになった。ドジャース時代もプレーオフではブルペンに回り、印象的な活躍を見せてきたため、その再現が期待される。ツインズのブルペンは防御率メジャー14位と、クオリティは平凡。平均以上のリリーバーはいても、クローザーのヨアン・デュラン以外に絶対的な存在は不在。前田が切り札となればブルペン事情はだいぶ楽になるだろう。

打線は長打力で勝るツインズに軍配か。

メジャー3位の本塁打数を記録したツインズは、カルロス・コレアとバイロン・バクストンという2大スターが不振に陥りながらも、ルーキーの台頭でそれを補ってきた。エデュアルド・ジュリエン、マット・ウォルナー、ロイス・ルイスの新人強打者トリオに注目したい。懸念は故障者でプレーオフ経験豊富なコレアとルイスがILから復帰するかどうか。復帰の可能性は高そうだが、コンディションは気がかりだ。

強力打線の結成を期待されながら、ブルージェイズの打線はシーズン通して低調なパフォーマンスに終始した。チームOPSメジャー12位、チーム本塁打メジャー16位は平凡な数字だ。しかし、ボー・ビシェットを筆頭に力ある打者は多く揃えている。今季はやや低調だったウラジミール・ゲレーロ・ジュニアやプレーオフ経験豊富なジョージ・スプリンガーに火が付けば、一気に恐ろしい打線に変貌するだろう。

ツインズはプレーオフで現在18連敗中と、プレーオフに滅法弱いことで知られている。一方で、ブルージェイズもゲレーロやビシェットが主体のチームとなってからはここ4年間で3回目のプレーオフ進出だが、未だにプレーオフでの勝利がない。どちらが負の連鎖を止めることになるのか、注目して見守りたい。

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