9月29日(金)から10月1日(日)にかけて、チリ中部ビオビオ州の州都コンセプシオンを拠点にWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』が開催され、既報のとおりMスポーツ・フォードWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1)が快勝。シーズン2勝目をマークした。
2019年以来4年ぶり、WRCイベントとして2度目の開催となったラリー・チリは、今季残り少なくなったカレンダーの中で最後のグラベル(未舗装路)イベントでもあった。金曜からの3日間で争われた競技は、初日デイ1の午前中に大きなクラッシュが2度発生する波乱の展開に。
翌日のデイ2ではトヨタ勢を中心にタイヤトラブルが多発。さらに、最終日には2番手につけていたテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)がクラッシュしリタイアとなるドラマが待ち受けていた。
そんななか初日にトップに立ったタナクは、後続との間に大きなギャップを作り逃げの体制に入ると、デイ3は“貯金”を有効活用してポジションをキープ。そのままラリーを完走し2月のラリー・スウェーデン以来、今季2回目の総合優勝を飾った。チリでの勝利は2度目、勝率100パーセントだ。
ランキングを見ると、トヨタがヒョンデに対して残り2戦で逆転不可能となる106ポイント差をつけたため、この段階で日本メーカーのマニュファクチャラータイトル3連覇が確定した。一方、ドライバー/コドライバー選手権の決着は次戦以降に持ち越されたが、王座獲得のチャンスはランキング首位に立つカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組と同2位エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ともにトヨタGRヤリス・ラリー1)に絞られている。
WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ後の各選手権ランキングは以下のとおりだ。
■2023年WRCドライバー選手権ランキング(第11戦終了時点)
Pos Driver Machine Team Points
1 カッレ・ロバンペラ トヨタGRヤリス・ラリー1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT 217
2 エルフィン・エバンス トヨタGRヤリス・ラリー1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT 186
3 ティエリー・ヌービル ヒョンデi20 Nラリー1 ヒョンデ・シェル・モビスWRT 155
4 オット・タナク フォード・プーマ・ラリー1 Mスポーツ・フォードWRT 146
5 セバスチャン・オジエ トヨタGRヤリス・ラリー1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT 99
6 エサペッカ・ラッピ ヒョンデi20 Nラリー1 ヒョンデ・シェル・モビスWRT 98
7 勝田貴元 トヨタGRヤリス・ラリー1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT 77
8 ダニ・ソルド ヒョンデi20 Nラリー1 ヒョンデ・シェル・モビスWRT 63
9 テーム・スニネン ヒョンデi20 Nラリー1 ヒョンデ・シェル・モビスWRT 34
10 オリバー・ソルベルグ シュコダ・ファビアRSラリー2 ―― 33
■2023年WRCコドライバー選手権ランキング(第11戦終了時点)
Pos Co-Driver Machine Team Points
1 ヨンネ・ハルットゥネン トヨタGRヤリス・ラリー1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT 217
2 スコット・マーティン トヨタGRヤリス・ラリー1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT 186
3 マルティン・ウィダグ ヒョンデi20 Nラリー1 ヒョンデ・シェル・モビスWRT 155
4 マルティン・ヤルヴェオヤ フォード・プーマ・ラリー1 Mスポーツ・フォードWRT 146
5 ヴァンサン・ランデ トヨタGRヤリス・ラリー1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT 99
6 ヤンネ・フェルム ヒョンデi20 Nラリー1 ヒョンデ・シェル・モビスWRT 98
7 アーロン・ジョンストン トヨタGRヤリス・ラリー1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT 77
8 カンディード・カレラ ヒョンデi20 Nラリー1 ヒョンデ・シェル・モビスWRT 63
9 ミッコ・マルックラ ヒョンデi20 Nラリー1 ヒョンデ・シェル・モビスWRT 34
10 エリオット・エドモンドソン シュコダ・ファビアRSラリー2 ―― 33
■2023年WRCマニュファクチャラー選手権ランキング(第11戦終了時点)
Pos Manufacturer Machine Points
1 トヨタ・ガズー・レーシングWRT トヨタGRヤリス・ラリー1 466
2 ヒョンデ・シェル・モビスWRT ヒョンデi20 Nラリー1 360
3 Mスポーツ・フォードWRT フォード・プーマ・ラリー1 247