岡山県警留置施設 投票の秘密侵害 弁護士会、人権救済の勧告書提出

岡山県警本部

 岡山弁護士会は2日、昨年7月の参院選で岡山県警の留置施設から不在者投票した男性が投票用紙の記載内容を警察官に見られる状況にあり、憲法で保障された投票の秘密を侵害されたなどとして、人権救済の勧告書を県警に提出したと発表した。

 弁護士会によると、県警本部の留置施設で、男性が警察官に「投票を見ないようにしてほしい」と訴えたが、のぞき込める距離での監視が続いたため白票を投じたという。また、投票前に男性が候補者名を選挙公報などで確認したい旨を伝えたのも認めず「知る機会が奪われた」としている。

 勧告書では、自由な意思に基づき投票できるよう投票の秘密を保障し、候補者の名前や政党名を閲覧できる環境を整備するよう求めている。勧告書の提出は9月28日付。

 県警留置管理課は「現時点ではコメントを控える」としている。

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