アジア大会BMXレーシング男子 中井飛馬(上越市出身)金メダル 五輪に向けた戦いへ弾み 

金メダルを獲得した中井選手(中央)。左は2位のタイの選手、右は3位のフィリピンの選手(写真は日本自転車競技連盟提供)

中国・杭州で行われている第19回アジア競技大会で1日、BMXレーシング男子で上越市飯出身の中井飛馬選手(23)が金メダルを獲得した。日本勢は同種目2大会連続の優勝。

日本自転車競技連盟によると、中井選手はシーディングラン(タイムトライアル)を3位で通過し、モト(3回の予選レース)も安定した走りで第2組の首位で決勝に進出。決勝ではスタートから先行し、警戒していたタイの選手を最後まできっちり抑え込んで見事に優勝、2位に1秒近くの差をつけた。

金メダルを獲得し、「アジア大会という大舞台で少し緊張はしていた。決勝はスタートがうまくできず、危うい部分もあったが、最後まで持ちこたえてぎりぎりまとめることができた。今はホッとしているし、本当にうれしい」と喜びをかみ締めた。「この1年くらい、けがや調子が上がらず、良いことはなかったが、これで少しは報われたと思う。サポートしてくれるメンバーにも多少は恩返しができた。この勝利が今後に向けてさらなる弾みになる」と、来年のパリ五輪を含めた今後をしっかりと見据えた。

新潟県BMX協会会長で上越市に住む父・浩之さん(53)は「昨年から、今夏にも肩の鎖骨を骨折するなど、けがの多いスポーツ。アジアのレベルが上がっている中、4年に1度の大きな大会でしっかりとタイトルを取りホッとしている」と話し、五輪の国別出場枠が懸かる来年6月の世界選手権に向け「けがなく迎えてほしい」と期待している。

◇中井選手プロフィル

5歳から金谷山のコースで競技を始め、12歳で本場アメリカの強豪チームにスカウトされ海外転戦を開始。2017年世界選手権ジュニア部門で日本人最高4位、18年世界ランキング・ジュニアエリートクラス1位、19年全日本選手権エリートクラス優勝、21年W杯23歳以下年間王者、22年世界選手権23歳以下3位など。現在は次の五輪の舞台、フランスを拠点に練習している。城北中―日本体育大荏原高―日本体育大卒。

アジア大会での中井選手(先頭)のレース

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