車ぶつけられた人、1度だけ通院…しかし親族と整骨院、“通院36日間”に水増して金銭を詐取していた 整骨院を開業した28歳と親族26歳を逮捕 匿名の情報提供あり発覚

保険金に水増し請求、2人逮捕

 交通事故の負傷者の通院日数を水増しして損害保険会社から施術費をだまし取ったなどとして、埼玉県警交通捜査課と川越、武南署は2日、いずれも詐欺と詐欺未遂の疑いで川口市石神、元柔道整復師で建設業の男(28)=詐欺罪で起訴=を再逮捕し新たに新座市野寺4丁目、会社員の男(26)を逮捕した。

 逮捕、再逮捕容疑は整骨院を開業していた28歳男が26歳男と共謀し、交通事故で負傷したとして通院してきた26歳男の親族が昨年7月30日から9月28日までの36日間、通院して施術を受けたと偽り、損害保険会社に自動車保険金を水増し請求し、2回にわたり計32万6140円を詐取。さらに同様の手口で、同年10月1日から11月30日までの35日間分の施術費計27万1560円を詐取しようとした疑い。県警は共犯事件のため、認否を明らかにしていない。

 交通捜査課によると、昨年7月27日に新座市内の店舗駐車場で26歳男の親族が乗った乗用車が別の乗用車にぶつけられる物損事故が発生。親族は、実際には1度通院しただけだった。今年2月に保険会社の担当者が川越署を訪れ「水増し請求したという匿名の情報を受けた」と相談したことで犯行が発覚。県警は同様の手口で施術費をだまし取ったとして、9月に28歳男を詐欺容疑で逮捕していた。同課は、ほかにも同様の手口での余罪があるとみて捜査する。

 また、さいたま地検川越支部は同日、28歳男と共謀して施術費をだまし取ったとして同課などに逮捕されていた建設会社役員の男性について、不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。

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