【漫画】「夜の味」って何?セリフない物悲しい童話に「癒やされる!」の声 作者語る

月のような形をした食材を味わう『夜の味がする』や、縁側であじさいを眺め線香花火に興じる『夏休みのおわり』など、一切のセリフを排したどこか物悲しい童話のような作品。寂しく暗いこの作品世界に「癒やされる」と、幅広い読者から注目を集めている。

個性的な作画とセリフを排したいくつかのシーンで構成される本作を描くのは、一般企業で会社員をしながらSNSで作品を発表している、作家のそねぽんさん(@soneponjuice)。「漫画ではなく、一枚の絵を描いているような気持ち」で描いたという本作は、どのような思いで創作されているのか。そねぽんさんに話を聞いた。

壁に飾っても違和感のない作品に

とりわけ悲しい描写はない中で、どこか寂しい雰囲気が漂っているのが本作の特徴。そねぽんさんは、「根本的に明るく描こうという気持ちがない」と自身の作風を分析する。一方で、創作の中でたどり着いた部分も大きいと話す。

そねぽんさん作品_1

「うーん、なんでしょうか……。考えてみてもあんまり思いつかないです。自分では"死んだあとみたいな世界"を描きたいなと思って描いています。最初から『死んだあとみたいな世界を描きたい』と思って始めたわけではなくて、自分の絵見てたときになんとなく、『死んだあとの世界みたいだな』って思って。暗いし寂しいので。暗いし寂しいのは、根本的なところで絵を明るい気持ちで描くことがないからかな、と思います」

そして、この独特の作風はどのように生まれたのか。ひとつの思いとしては、「壁に飾っても違和感のない作品にしたい」という思いがあるという。

そねぽんさん作品_2

「一枚の絵を描く気持ちで描いています。それと、キャラクターよりもその後ろにある世界観を描くことが好きだったので、その表現方法を探る中で、今の形になりました。めざすのは、一枚の絵として壁に飾っても違和感のないものを描きたいと思っています。なので、セリフがあるとちょっと飾りにくいかなと(笑)」

そねぽんさん作品_3

そねぽんさんは、これからも、「"死んだあとみたいな世界"を描くことは、ずっとテーマにしたい」としながらも、「最近、ミュージックビデオで短めのアニメーションを作らせていただく機会が何度かあったので、その制作も続けていきたいです」と、新たな活動も視野に入れている。独自の世界観を切り拓くそねぽんさんの今後に注目していきたい。

<そねぽんさんInformation>

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(よろず~ニュース特約・橋本未来)

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