奈良市、シカ保護団体を調査 「十分な餌与えず」通報受け

「奈良の鹿愛護会」の施設でシカの調査をする市職員ら=3日午後、奈良市

 奈良公園周辺に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」を保護する「奈良の鹿愛護会」の施設「鹿苑」(奈良市)で、餌を十分に与えないといった虐待が行われていると通報があった問題で、奈良市は3日、施設への立ち入り調査を開始した。愛護会は虐待を否定している。

 愛護会によると、施設では、農作物に被害を与えたシカなど約240頭を「特別柵」と呼ばれるエリアに収容。この日は市保健所の獣医師らが特別柵のシカの健康状態や、飼育環境を調べた。

 8~9月、同会の獣医師丸子理恵さんが奈良県や市に「柵内のシカは十分な餌が与えられず、骨が浮き出たり、脱毛したりしている」などと通報した。

© 一般社団法人共同通信社