AFコルセ、1着ゲットスピードの降格により1-2達成。ASPが耐久カップ2連覇/GTWCヨーロッパ

 10月1日、スペインのカタロニア・サーキットで、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第9戦バルセロナの決勝レースが行われ、AFコルセの51号車フェラーリ296 GT3(アレックス・ロベラ/ロバート・シュワルツマン/ニクラス・ニールセン組)がポール・トゥ・ウインを達成した。

 エンデュランスカップのドライバー/チーム両選手権ランキング首位でカップ最終戦を迎えた、アコーディスASPチーム(88号車メルセデスAMG GT3エボ)のトリオは、総合5位で3時間レースをフィニッシュした。この結果、ラファエル・マルチェッロ/ジュール・グーノン/ティムール・ボグスラフスキー組がタイトルを争うライバルから逃げ切り、2023エンデュランスカップのチャンピオンを獲得している。

 秋晴れのバルセロナで開催されたGTWCヨーロッパ第9戦。決勝レースの行方を占う予選では、51号車フェラーリ296 GT3が平均タイム1分39秒454でシリーズ初のポールポジションを獲得する。AFコルセの姉妹車71号車フェラーリも、アイアン・リンクス63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2を間に挟んで3番手の好位置につけ、その隣セカンドロウの4番手には、ゲットスピード・パフォーマンスが運営するメルセデスAMG・チーム・アルマナーの777号車メルセデスAMG GT3エボが並んだ。

 迎えた決勝レース。スタート直後の攻防を経てフェラーリがワン・ツー体制を築いた直後、3番手に順位を下げた63号車ランボルギーニが777号車メルセデスAMGと接触して体制を崩しグラベルへ。クラッシュには至らなかったものの大きく後退し、勝負権を失ってしまう。

 レース1時間目はピュア・レクシング911号車ポルシェ911 GT3 Rのアクシデントや、バレンティーノ・ロッシ駆る46号車BMW M4 GT3(チームWRT)のスタックなど計3回フルコースイエロー(FCY)とその後のセーフティカー(SC)ランが入る荒れた展開に。そんななか51号車と71号車はワン・ツーを維持し続けたが、3度目のFCY中に行われた1回目のピット作業を終えて各車がコースに戻ると777号車メルセデスがトップに浮上していた。2番手に後退した51号車に続きチャンピオンシップリーダーの88号車メルセデスが3番手、71号車フェラーリが続くトップ4オーダーとなる。

 荒れたオープニングスティントとは一転して中盤のスティントは大きな動きはなく、上位2台が接近戦を演じるほか、やや間を開けて3番手争いが数珠つなぎの状態で続いていく。トップを走る777号車は2度目のピットストップ後もリードを保ち、2度のFCY/SCが入った最終スティントも首位の座を守ってトップチェッカーを受けた。しかしスタート直後に起きた63号車ランボルギーニとの接触に対し、リザルトに5秒のペナルティタイムが加算されることになっていたため優勝トロフィーは受け取れず。決勝結果は4位に。

 代わって2.230秒差の2番手でチェッカーを受けた51号車フェラーリが優勝を手にし、2度目のピット後に3番手に順位を上げていた71号車が繰り上がって2位表彰台を獲得。3位には予選6番手からポジションを上げてきたルトロニック・レーシングの96号車ポルシェ911 GT3 Rが入っている。

エンデュランカップでドライバー、チームのダブルタイトルを獲得したアコーディスASPチーム

 前述のとおり、チャンピオンシップリーダーの88号車メルセデスAMGは5位でレースを終えた。これに対して18点差のランキング2位で最終戦を迎えていたスパ24時間ウイナーのフィリップ・エング/マルコ・ウィットマン/ニック・イェロリー組98号車BMW M4 GT3(ローヴェ・レーシング)は13番手に沈んだたため、アコーディスASPとマルチェッロ/グーノンのエンデュランスカップ連覇、ボグスラフスキーの同カップ初戴冠が決定した。またマルチェッロとボグスラフスキーは、シリーズ・オーバーオールのドライバーズタイトルも2週間後の最終戦ザントフォールトを待たずに決めている。

 この他のクラスでは、GRTグラッサー・レーシング・チームの58号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2がシルバーカップで優勝。プロ・アマはSTレーシング・ウィズ・リナルディの38号車フェラーリ296 GT3、ゴールドカップではブーツェンVDSの9号車アウディR8 LMSエボII、ブロンズはガレージ59のマクラーレン720S GT3エボが第9戦バルセロナのウイナーとなった。2023エンデュランカップの各クラス・シリーズチャンピオンは以下のとおりだ。

・オーバーオール:ラファエル・マルチェッロ/ジュール・グーノン/ティムール・ボグスラフスキー(アコーディスASPチーム/88号車メルセデスAMGエボ)
・ゴールド:ニコラ・バート/マキシム・スーレ(コムトゥユー・レーシング/21号車アウディR8 LMSエボII)
・プロ・アマ:イヴァン・ヤコマ/ニキ・ロイトウィラー/フレックス・フォンタナ(カーコレクション・モータースポーツ/24号車ポルシェ911 GT3 R)
・ブロンズ:エディ・チーバー/クリス・フロッグガット/ジョナサン・フェイ(スカイ・テンペスタ・レーシング/93号車マクラーレン720S GT3)

トップチェッカーを受けるもレース後の5秒ペナルティで4位となった777号車メルセデスAMG GT3エボ(メルセデスAMG・チーム・アルマナー)
フェラーリ296 GT3でシリーズ初ポールに続き初優勝も飾ったアレックス・ロベラ/ニクラス・ニールセン/ロバート・シュワルツマン組(AFコルセ)
マルチェッロとボグスラフスキーは、最終戦を前にファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ2023 オーバールタイトルも決めてみせた。

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